このレビューはネタバレを含みます
研ぎ澄まされた魂の演奏
満身創痍
何かが乗り移っている
2022年9月体調はかなりギリギリの中
手元の微妙な動き
表情の震え
一寸も見逃せない
とてつもない緊迫感の中から生まれる
やわらかい音
演奏途中で
タッチのミスではなく弾き直す
何か違うなーと思ったのか
何回も弾き直して確認する
ステンレスの洗濯バサミみたいな
ボルトみたいなものを
自ら弦に挟んだりつまんだりする
音色がチェンバロになった
片手が空くと
指揮しながら弾く
誰かに思いを届けているような
魂が乗り移っているから
曲から曲への間の
つなぎの動きがまでもが演奏
最後の1曲
途中から坂本龍一の姿は見えなくなり
自動演奏に変わる
本人のタッチ再現か
坂本龍一の無念を想う
全編モノクロの103分
ドルビーのいい音で最高の時間空間
終始目が潤んだ
帰宅してすぐNHKスペシャルを再視聴
まだまだ生み出したいものがあっただろう
つくづく残念に思ったが
本当に偉大な音楽家の素晴らしい生き方で
素晴らしい作品が
ずっと世の中に残っていくと感じた