『フェラーリ』にしても、本作『ザ・バイクライダーズ』にしても、これ以上ない男臭い題材を用い、ある種のオールドアメリカ映画的語り口でマチズモを解体する。
『フェラーリ』はリドリー・スコット『悪の法則』組スタッフで固められた、ストイックで容赦のない歪なマイケル・マン爺👴作品なので、よりビターで、ロマンの欠片もなく突き放してくる。『フェラーリ』は完全に好み分かれそうだが、両方観てみるのは推奨。
“ハードボイルド🕶️というものに酔うことすらない真の意味でのハードボイルド🕶️”感すらある『フェラーリ』と比べると、本作『ザ・バイクライダーズ』のそれは、これまでのジェフ・ニコルズ作品からは大幅にわかり易く、ある種世俗的に“ハードボイルド🕶️”を演出している。
『テイク・シェルター』とか本当にマジ変な映画なので(※褒めてます)、こちらも未見の人は見比べ推奨(※ニコルズで一番正統に良い映画という意味では『ラビング』かもしれない)。
と、こんな話をしていると“私の好み”はどちらかは明白かもしれないが、しかし本作『ザ・バイクライダーズ🏍️』にも“抗い難い映画の魅力”が詰まっていることは事実。
『エルヴィス』といい、本作でもハマり過ぎキマり過ぎで嫌味な感すらある今旬オースティンをはじめ、Warrior、Fury Roadの旬を沸点に只今絶賛枯れおじセール中のトム・ハーディ、『最後の決闘裁判』然り類型的ボンキュッボンな美人というわけではないが、何とも言えぬ魅力溢れるジョディ・カマー等、キャスト陣も⭕
タッチはそれぞれに全然違うんだけれど、なんとなくコッポラの『ランブルフィッシュ』やアメリカン・ニューシネマ原理主義者👴井筒和幸の一昔前のヤンキー映画とか、“The”で始まり“s”で終わるのが同じなライアン・ゴズリング全盛期の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』とかをちょっと思い出したりした。