個性的な作家性と古典的な映画手法を使い分けるジェフ・ニコルズ監督の久々の新作です。
正直もっといっぱい映画を撮ってほしいところですが、7年ぶりというなかなかの期間が空いてしまいましたが、今回も良い映画です。
1960年代から70年代のバイク集団を追った本を原作にして、現代にも通じる失われていく純粋さというものを描きます。
マッドマックスがバイク集団のリーダーというキャスティングも素晴らしいのですが、ホモソーシャルの中に入っている奥様方の葛藤というテーマは重要です。
組織が大きくなるにつれ、本来の目的がズレ、排他的に、暴力で抑えつけようとしていく残酷さは映画として切なく描かれていきます。
好きなものが一緒で、キャッキャウフフとやっていられることの楽しさとそれが失われていく切なさ。
アメリカという国が抱えている大きな問題も取り入れて描いていますね。
