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傷物語-こよみヴァンプ-のbunrokuのレビュー・感想・評価

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)
3.5
今作の吸血鬼はとんでもなく強い。首チョンパに腕チョンパ。そんなわけであたりは血の海。そんな惨状が高校生のいかにもな恋愛模様と隣接し、さらには女吸血鬼の悲しい生きざまにも話がおよぶ。圧巻なのは最後の戦い、そして主人公の葛藤と呻吟。このあたりの心理描写はけっこう深い。今作は既発表の三部作を再編集したものらしいが、かなり頻繁にインサートされる字幕は新たなリズムを刻むための苦肉の策なのか、元々あったものなのか、オシャレを狙ったものなのか、そのあたりに首を捻りながらの鑑賞に。海辺のコンビナート、川辺の公園、人影がまったくない死んだような街。うごめくのはカラスと日の丸だけという不思議。
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