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アレンズワースのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

アレンズワース(2022年製作の映画)
4.0
【ベニングのカレンダー】
ジェイムズ・ベニングが2023年のベルリン国際映画祭に出品した新作をまさか劇場で観られるとは思わなかった。『RR』で手応えを感じたので勢いで観たのだが、これはベニングがアレンズワースで撮影したカレンダーともいえる作品であった。

つまり1~12月までを各5分程度の1ショットで撮ったものなのだ。多くは運動が存在しない。画の背景で列車の音や風、飛行機の音が鳴り響く。ベニングは「音」の映画作家だとしばしば言われるが、まさしく本作は音を堪能するタイプの作品である。実際に途中では、女が詩を朗読するパートが用意されている。

そうはいっても映画の運動構図として面白い月も当然ながら存在する。5月に注目してほしい。中央に大きな建物があるのだが、その背後を列車が通りかかる。このタイミングと、列車が通過することで完成される画に興奮したのだった。ベニング。29歳にして魅力に気づき始めたのであった。
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