Omizu

靴みがきのOmizuのレビュー・感想・評価

靴みがき(1946年製作の映画)
3.5
【第20回アカデミー賞 名誉賞】
『自転車泥棒』ヴィットリオ・デ・シーカ監督の初期代表作。アカデミー賞では外国語映画賞にあたる名誉賞を受賞、脚本賞にもノミネートされた。

ネオレアリズモの傑作とされる本作、まさに底辺で生きる子どもの悲劇を描いた辛い作品だった。ただやはりデ・シーカ作品は肌に合わない。というかイタリア映画が苦手なのかも。

貧困によって子どもの心も闇に染まっていくというリアルな市民生活を見事に描き出していると思う。刑務所での疑心暗鬼と騙し合いは心が苦しくなる。

ただやはりダークにはなりきれないというか。明るさをどこかで感じてしまう。イタリア映画ってそういう傾向があるような。フェリーニにしろモレッティにしろベニーニにしろそういうのあるよね。

完全に好みの問題だけど、僕はもっとダークなのが好きなんだ。イタリアの映画作家で唯一好きなのはガローネ。『ゴモラ』『ドッグマン』とか。

主演の少年二人はよかったし特に不満があるわけではないが、そんなに傑作かなあというのが正直なところ。
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