アルゼンチン風なのか監督や脚本のせいなのか判断はつかないが、見せ方やリズムがこれまで見てきたホラー映画と異なり、見づらさと理解のしづらさがあった。
必ずしも悪い意味ではなく、キリスト教や悪魔憑きという使い古された設定なのに非常に新鮮だったし、先の展開も読めず起きるイベントや登場人物達の言動と行末を鑑賞中は終始興味をもって追いかけていた。
悪魔憑きに遭遇した際の7つのルールも守られなかったり、そもそも悪魔憑きを信じない人々がいたりで、肉体が腐敗した青年を隠そうとしたところから加速度的に悲惨な死につながっていく感じはとても良い。
悪魔は動物であったり人間であったりとにかく取り憑いて不幸を撒き散らしていくが、時々展開される唐突な暴力はジャンプスケアとして秀逸(犬とか斧とか)。また、露骨なゴア表現だけでなく、登場人物のセリフとチラ見せで最悪を想像させる見せ方を混ぜてくるところも憎い。
処理人が具体的に何をするのか、最後に生まれたものは何ををするのか、明確にならずに終わってたがこういう終わり方もこの作品に関してはペドロ視線を共有していると思えばあり。