ごい

アメリカン・フィクションのごいのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
売れないインテリ黒人作家が悪ふざけで白人ウケする黒人作品を書いたらバカ売れしてしまいてんやわんやするお話

「白人による黒人差別への反省」だけでなく、「愛」や「平等」や「自由」「社会正義」等、様々な要素が”儲けネタ”として扱われる資本主義への批判を節々に感じられる。何ならこの映画自体もメタ的に皮肉られているのかもしれない。リューベン・オストルンドみを感じる。

ジャズ風のおしゃれな劇伴もカッコいい。
主人公の名前は黒人ジャズピアニストのThelonious Monkが元ネタだと言われている。しかしこの映画の作曲家はLaura Karpman。もちろん名作曲家ではあるのだが、この映画のテーマ性の中であえて白人作家を採用するあたり、良し悪しの問題ではなく皮肉めいたものを感じる。これについてとやかく言うこともまた、、、


NOPEをノミネートさせなかったアカデミー賞も、ここまで直接的にやられると無視できなかったのか、自浄作用が働いているのか、複数部門ノミネートを果たした。
世界中のアカデミー会員が本作を鑑賞するわけで、今後の映画にも影響を与える可能性はあるかもしれない。
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