Rissie

アメリカン・フィクションのRissieのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
主人公のモンクは、自分以外の家族のほとんどが医者であるという、裕福でアカデミックな黒人一家の出身。自身はカリフォルニアの大学で文学を教える作家だが、最近は作品を出版できていない。自分の書く文学的作品が売れない一方で、黒人のステレオタイプを描いた大衆的な小説が売れていることに不満を募らせている。

授業での問題発言を理由に大学から「休暇」を言い渡されたモンクはボストンに里帰りするが、頼りにしていた姉が急死。母親の介護が必要になり、施設への入居料を支払わねばならなくなる。経済的な理由と出版界への反発から、半ば冗談で世間が求める「黒人的」小説を書いたところ、大ヒットしてしまいー。

かなり風刺が効いた作品で面白く観たが、アメリカの人種問題の背景を本当の意味で理解できているわけではないので、自分がどこまでわかっているか自信はない。アメリカの中でも観る人のバックグラウンドによって感想は異なるだろうなと思う。モンクと売れっ子作家シンターラの会話(議論)に考えさせられた。
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