若大将オーウェン

アメリカン・フィクションの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
アメリカンフィクションを通じて黒人インテリ中年男性のミドルエイジクライシスというリアルを描くという試み

少し前にBLMを取り扱った映画が量産され、あれもフィクション(映画・ドラマ)を通じて黒人社会のリアルを伝えていた

そういう意味でBLMではないけれど構造は似てると思った

またTARのような冒頭での学生追い出しから表面上は意識高い(Woke)けれど、目の前の内実は見れていない現代人への皮肉が強烈だ

また結局はビジネスに収束していってしまう虚しさ

お金よりも大切なものはたくさんあるけど、お金がないと現実的な問題にどうも対処できない

また主人公が決して良い人ではないのも良かった

基本的に人をバカにしてるのも

ラストはまぁ皮肉ってはいるけど、相手や社会に適応しようとしてる主人公が描かれてたと思う

コメディ映画ではあるが、例えばシニカルコメディの「ザ・メニュー」のように完全にコメディというわけではなく

ジェフリーライトの名演によって人間ドラマになっていると思った

トロント観客賞でハードル上がりすぎてた感はあるが、面白い作品です