りゅーきマッドベリー

アメリカン・フィクションのりゅーきマッドベリーのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.2
黒人のインテリ小説家モンクはヤケクソでベッタベタのギャングスタな黒人小説を皮肉で書いたら、大ヒットしてしまいベストセラーになってしまった風刺コメディ作品👨🏽‍🏫📘


もうあらすじからして掴みはバッチリで何かのジャンルでメジャーすぎるものが嫌いだったり、納得がいかなかったり、理解できないことが一つでもあればこの作品にリアリティを感じて刺さるんじゃないかと思います。

ジャケ写的に爆笑するシーンが多そうに見えるが所々にクスりと笑うシーンがあって映像自体は至って真面目で緩い雰囲気な作り。


暴力・犯罪・ドラッグ・警官に殺されるのが黒人のステレオタイプと考察されていることが多いが『アダルトボーイズ遊遊白書 原題Grown Ups 2』のクリス・ロックが「オバマのせいで皆んな黒人を見ただけでは恐がらなくなった」ってセリフが2013年にあったことや今までの黒人ラップでは"俺はクール"とか"俺はギャングスタ"とか歌っていて"俺は内向的で傷ついてる"とは言わなかったのに対して自身の内面である孤独や不安をダークなトラックでラップするキッド・カディが2009年に登場していることから、ラジカセ持って「ヨーヨー♪メェェェン!?」って言ってるとかもうそんな時代でもないし、イメージが古すぎると思うわ!!

逆に日本人だと未だにサムライ・ニンジャ・ゲイシャ・フジヤマなイメージを持たれていたり🗡️🥷🗻
ニーハオシェシェ言うて中国人なら大群で全速力でチャリ漕いでたり🚴‍♀️🚴‍♂️🥟
アフリカ人は原住民族しか住んでないとか思われているのと同じぐらい古い🪶🍌🥥


主人公のインテリ小説家モンクは皮肉で書いたギャングスタな小説を偽名で出版しており、偽名の時の設定が[黒人の元受刑者で逃亡中の指名手配犯]😂😂😂

戦慄かなの [少年院出身のアイドル]
竹原慎二 [広島の粗大ゴミ]
50セント [9発撃たれても死ななかった男]
N.W.A. [FBIにマークされていた世界で最も危険なグループ]
佐々木希[髪切りデスマッチ無敗伝説]
小林幸子[ラスボス]
etc…

呼び名ってやっぱ惹きつけられるもので黒人の元受刑者で逃亡中の指名手配犯が書いた小説となるとヒットする予感しかなくて笑える🤭
ちなみに「見たことのない、希の秘密がいっぱい!」という謳い文句とnozomi's historyっていうコーナーで髪切りデスマッチ無敗伝説などの壮絶なエピソードを期待して佐々木希のスタイルブック『Non』を買ったことがあるが読んでみるとヤンチャだったエピソードは一切収録されていなかった記憶🤐📖🫧
苦戦した相手はいたのかとか男性教員の股間を蹴り飛ばした上に歯を折ってしまった噂の真相も知りたかった🙄


お金のために本当は書きたくなかったけど世間が求める小説を書く。

これ色んなジャンルに当て嵌まりそうで人を笑わせることをしたいってことで事務所に所属して芸人になるか?YouTuberになるか?って選択肢にお金が入ってすぐに人気になれそうなのはYouTuberで知名度を上げる為に炎上させた方がいいのかって2〜4年前の状況であったり、90sの時代だと普通にメタルやパンクバンドをやりたい…でも売れないからてっとり早く売れる為にヴィジュアル系(V系黄金期の時代)になるかって話を聞いたことがあったり、今作のような小説家だとそれこそ日本だと真面目に小説を出版するよりも時代に乗ってラノベを書くことやマイナーなアニメの声優をやるよりかはバーチャルアイドルで投げ銭もらう方がよかったりとか格闘家なら実力は弱くてもタトゥー入れてそこそこ有名な格闘家の悪口をSNSで言いまくって噛みついて目立てば人気になるみたいな🫠🏆


この映画を見ると結局は世間に媚びないといけないのか?
ある程度世間に媚びてから自分らしさを出してダメだったらまた世間に媚びなきゃいけないのか?
結局何が正解なのか分からずじまい🤦🏻‍♀️💧

いや

みんなが同じことをしても量産型になるだけだし、その瞬間の流行りに囚われすぎずに鍛錬と芯が必要で自分という本当の姿を見つけて独自の表現をすることやな
目先の売上だけに気を取られないで本当にユニークなことをやり続けることが大事!


最後に終盤のベタな展開のひとつが映画あるあるすぎて1番笑ったシーンかも🔫🤣🩸🩸🩸
あと救急車のサイレンをパトカーと勘繰って逃げるシーンは完璧🤣🤣✨