“モンクの文句🤬”
ダーティーワード満載でR18+のレイティングがかかるほど下品なハズなのに、なぜかとても上品に感じてしまう上質なコメディ
演者と脚本が素晴らしい
主人公モンクを演じるジェフリー・ライトはもちろんそれ以外の脇役達も皆素晴らしかった
トレーシー・エリス・ロスの出番が短かったのがチョット残念だったけど😥
主人公のモンクは結構いいところのお坊ちゃんで世間の黒人に対するステレオタイプな見方に反感を持つ黒人作家
さらに意識高い系の少々めんどくさいおじさんw
『ター』を思い出させる冒頭の学生とのやり取りにはそんな彼の性格と、このお話のテーマが凝縮されています
そんな彼がやけっぱちで書いた小説をめぐるドタバタ劇に一気に引き込まれてしまいました😆
思いっきりフィクションで書いたそれが、どんどん彼の思惑とは違うノンフィクションになっていく様子に困惑し、あたふたとするジェフリーの演技が最高!
…なだけでなく、身近で起きる別れや出会いといったパーソナルな部分での人間味あふれるモンクもしっかり演じきる彼の演技力の幅の広さも十分堪能できました
原作はコメディではないらしいですが、まるでジェフリーの良さを引き出すために当て書きされたんじゃないかと思わせる脚本と演出
一瞬登場するアジア系の登場人物に対して「はいはい、今回は黒人のお話なのであなたはまた今度。それを決めるのは俺達だかんね😁」と言わんばかりに軽くスルーする演出もツボ
本作が長編映画監督デビューとは思えないコード・ジェファーソン監督の演出と脚本に今後への期待が高まります
ただ文化的ネイティブ、言語的ネイティブであればドッカンドッカンウケるであろうポイントはわかるものの日本人としては心底笑えない部分があることも事実
これは字幕翻訳にも問題ありか?
(謎の“?”問題はおいといて)
「not white」を「黒人」と訳してしまうのもなんか違うような気がするし…
ただやけっぱち小説作者のペンネームギャグが理解できたのは昔ヒットした「♪アンダルシアに憧れて」のおかげ?😁
免罪符
かつて教会が利益を得るために販売したそれが今では出版業界、映画業界のビジネスに利用されているということに対する強烈なアイロニー
さらにアカデミー賞ノミネートだけではなく、評論家や一般大衆からの評価の高さも含めてこの作品が完成されているとすれば、そんなことさえ飲み込んでしまうアメリカという国に対して一周回ってwその凄さを感じてしまいます😲
ラストシーン
『ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド』のラストシーンを思い出させるそのシーンに流れるマイルスの🎺に感じる心地よい余韻
あえてモンクの🎹を使わない小洒落た演出に最後の一笑😄
p.s.
amazon子会社制作なので日本では配信スルーになってしまったのだと思いますが、もし配給権という免罪符が販売されたとしても日本での劇場公開はビジネスにならないと判断されてしまう内容かもしれません🤔
(アメリカでの劇場公開はアカデミー賞ノミネートのために必須の条件)
かたや別の免罪符を利用してビジネスをしていると感じてしまう日本の某大手出版社のことが脳裏をよぎりなんか複雑な気分😥