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アメリカン・フィクションの708のネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

2024年のアカデミー賞で脚色賞を受賞。いやぁ、これは面白かったです。

エンタテインメントなどにおいて、白人が求めるステレオタイプな黒人のイメージに疑問を持ち、うんざりしている黒人のインテリ小説家モンク。白人が絶賛する黒人の女性ベストセラー作家に対しても、かなり怪訝な顔。

そんな中、貧困でラッパーでコカインやって、最後には警察官に殺されちゃうという、いかにも白人がイメージする黒人らしさを詰め込みまくったモンクが言うところ”ゴミ小説” である「My Pafology」を、脱走犯を演じたペンネームで片手間で執筆してみたところ、出版社は大絶賛。なんとか出版させたくないからと、「FUCK」と改題の提案をしたところ、それすら絶賛されてしまって出版へ。そして大ヒットとなって文学賞まで受賞してしまう話…と思ったら、それはすべてモンクが書いた小説の中の世界の話というオチ。

白人監督によってその作品が映画化される撮影現場で、モンクは監督にラストのダメ出しをされまくり。結局、文学賞の受賞会場で、警察官に蜂の巣状態に射殺されるオチをモンクが提案したところ、監督は「大ヒットするぞ」と大喜びでOK。結局、黒人に求められるのはそういう役割なのか、と呆れるモンク。そしてボソッと小声で吐く「Fuck」という呟き。お後がよろしいようでよろしくないような苦味走ったブラックコメディ。

自分のやりたいことがあったとしても、みんなが求めるものを演じて成り立たせるのがエンタテインメントなの?みたいな。かなりシニカルで、ところどころ笑ってました。

アマプラのみの配信なんだけど、アマプラの字幕があまりにも酷い。吹き替えもあるのでそちらで観た方がいいかと思います。
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