「オッペンハイマー」の圧勝で終わったアカデミー賞だが、今作は作品賞・主演助演男優賞・脚色賞にノミネートされ、見事脚色賞を獲得した隠れた名作と言っていいだろう。
個人的には「オッペンハイマー」をまだ見れていないのでなんとも言えないが、「落下の解剖学」と同等かな。
黒人差別を扱ったものは数多く存在するが、そこに配慮し過ぎて変な方向に向かっているアメリカを風刺したような新しい切り口が非常に新鮮なブラックコメディ。
ただそこまでふざけ過ぎているわけでもなく、シリアスなシーンもあり、そのバランスが秀逸だったな。
脚色賞は納得。脚本賞もあり。
そして個人的には助演男優賞はスターリング・K・ブラウンに１票。
黒人でありながらゲイであるという、非常に苦しい立場ながら明るく今を楽しもうとする役が素晴らしい。
地味ではあるが、笑いあり感動ありのとても素敵な作品でした。
