タバスコス

アメリカン・フィクションのタバスコスのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
皮肉屋、堅物、かなりボンボンの黒人作家である主人公が、自分の望む文学作品が出版社に受け入れられず悩む。黒人のステレオタイプ(主にギャングカルチャー)に満ちた黒人作家の作品が世間に望まれていることへの疑問を感じ、皮肉のつもりで書いた”ゴミ小説”が評価されてしまい……!?
というあらすじで、ユーモアを交えながら社会を風刺しつつ、主人公の内面にある問題にも光を当てていく。
決して一方的になりすぎないメッセージ性、登場人物の内面描写の深さがちょうどよかった。
音楽もジャズを主体にまとめていてかっこいい。主人公の名前はセロニアスであだ名がモンク。ブラックミュージックを使って皮肉めいた今作のメッセージ性を補強していた。
オリジナル以外の挿入曲も良い、特に入店シーンのスリーサウンズの「Book of slim」や、結婚式のソニアスペンス「Let love flow on」、EDで流れる有名な「Autumn leaves」などどれも印象に残る。
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