MERCUryu

アメリカン・フィクションのMERCUryuのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.3
面白い。この前のアカデミー賞の騒動でも思ったが、一見マイノリティに配慮し多様化した社会をアピールしているようだけど、そもそも白人側がそういった配慮をすること自体上から目線だし、やはり白人が特権階級だというのは未だに根強いのだなと思う。本当の多様性は、アカデミー賞でノミネートの基準に無理矢理マイノリティへの配慮を加えるのではなく、人種・性別・障害等関係なく良いものが正当に評価されることだと思う。まあ何故かそれがずっと出来ないから、基準に盛り込んだのかもしれないけど。本筋の物語は皮肉が効いていてめちゃくちゃ面白い。結局白人の中にはステレオタイプの黒人像があり、黒人が普遍的な出来事を語ることを認めようとしない。また人種のことのみならず、昨今の様々なコンテンツの消費の仕方に関しても考えさせられた。別軸で進む主人公のアイデンティティや家族との話は普遍的な日常の話であり、この内容が、本筋が伝えたいテーマに掛かっている気がしてよく出来た話だと思った。
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