純文学作家を名乗るモンクは憤っていた。
黒人は常に差別や偏見に晒され、悲惨な境遇であり、故に犯罪とラップに身を染めてしまうというステレオタイプのイメージに。そして、それが世間で評価されるという現実に。
悩みはそれだけではない。母親がアルツハイマー病に。姉や弟とも色々あって、うまくいかない。経済的にも厳しい。そんななか、彼が生み出した新作の小説。それは、彼が毛嫌いしていた、大衆がもつ黒人のイメージを反映した内容だった。彼は大皮肉のつもりで出版社に投稿。当たり前にボツにされる予定がまさかの大ヒット。賞の候補にも上がってしまう。しかし、当然、納得がいかず欝屈とした感情による日々を過ごしていくのだが。。。
というあらすじかな。
黒人に対し、周りが勝手に同情する事も失礼であり、かつその同情も本心ではなく自己の虚栄心を満たすためのものであるから尚更で失礼である。ある本に、アメリカの差別禁止は相当な物があるというが、そうしなければならないほど、彼らの差別は根深く強いとあった。全体的にユーモアがあり、暗くなり過ぎない内容だが、非常に考えさせられる作品だった。あえての逆張りの作品を出して、評価されるって事は、たまによくあるよね。
