蜘蛛マン

アメリカン・フィクションの蜘蛛マンのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.9
差別や歴史を語る社会派黒人映画、たしかによく見かけますし賞とか取りますよね。
そんなステレオタイプな「黒人作品」を風刺的なライトタッチで揶揄する作品ですが、着眼点からして面白かったですね。

マイノリティ映画ってマジョリティ側の理解促進のために制作されてるんじゃないかって違和感持つことは多々ありますね。そもそもマイノリティにも無限の層があるはずなのに、黒人とかLGBTQとかって言葉で一括りにして一様に扱うこと自体が暴力的ですよね。

本作は少し気難しめの主人公が家族や周辺人物と緩やかに愛を深めていく話でもあり、一人の人物とその家族のミニマムな人生が風刺的テーマと平行して展開されます。属性で括るのでなく他のだれでもない個人の人生を称賛するメッセージも感じましたし、それでいて最後まで風刺に手を抜かないラストも、良い感じでした。
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