全編を通して至るところに、アメリカへ、黒人、ゲイなどマイノリティへの皮肉と、諧謔と、そして愛が感じられる作品。
ダニエル・クレイグの007でCIAのフェリックスを演じていたジェフリー・ライトがセロニアス・(モンク)・エリソンを好演。
I told you to dress street.
I did.
Fucking Sesame Street.
ストリート風の服装で来いって言っただろ
だから着てきたよ
セサミ・ストリートかよ!
というくだりに声を上げて笑ってしまった。
セロニアスというファーストネームなのでモンク、と呼ばれる主人公。
家政婦さんにはMr.モンクと、母親にさえモンキーと呼ばれる。
でもラストのエンディングロールで流れるのはモンクではなく、キャノンボール・アダレイ、マイルス・デイビス、ハンク・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、アート・ブレイキーの"Autumn Leaves"というのは面白い。
メタフィクション的な結末も面白かった。
日本では劇場公開されずにPrime videoでの配信のみになったのがもったいない作品。