いしいるか

アメリカン・フィクションのいしいるかのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.8
全編を通して至るところに、アメリカへ、黒人、ゲイなどマイノリティへの皮肉と、諧謔と、そして愛が感じられる作品。

ダニエル・クレイグの007でCIAのフェリックスを演じていたジェフリー・ライトがセロニアス・(モンク)・エリソンを好演。

I told you to dress street.
I did.
Fucking Sesame Street.
ストリート風の服装で来いって言っただろ
だから着てきたよ
セサミ・ストリートかよ!

というくだりに声を上げて笑ってしまった。

セロニアスというファーストネームなのでモンク、と呼ばれる主人公。
家政婦さんにはMr.モンクと、母親にさえモンキーと呼ばれる。
でもラストのエンディングロールで流れるのはモンクではなく、キャノンボール・アダレイ、マイルス・デイビス、ハンク・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、アート・ブレイキーの"Autumn Leaves"というのは面白い。

メタフィクション的な結末も面白かった。

日本では劇場公開されずにPrime videoでの配信のみになったのがもったいない作品。
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