さしみ

異人たちのさしみのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作は山田太一『異人たちとの夏』

ロンドンのマンションに1人で暮らす脚本家アダムと同じマンションの住人ハリーとの交流の物語が軸に描かれるストーリーです。
アダムは30年前に両親を交通事故で亡くしています。家族の思い出に基づく脚本の執筆の為にかつて両親と暮らしていた家を訪れた時なんと亡くなった時と同じ年齢の両親が…。
最初は驚くも徐々に話していくうちにアダムは幼い頃から学校で虐められていた事や、クィア(ゲイ)である事もカミングアウトします。両親の反応がリアル。
両親と別れの日、思い出のレストランに行った時“ファミリーセット”を注文するのですが店員は「量多いですよ」と一言ちょっと心配そうに言っていました。店員には両親が見えていないのです。
孤独を抱えた人間同士の熱い抱擁。
アダムとハリーのそこそこ激しめのベッドシーンがあるのでR-15指定です。

ラストシーン、ハリーと一緒にアダムも星になったのでしょうか…

観る人それぞれが余韻を噛み締める良作です。


1988年大林宣彦監督によって映画化された『異人たちとの夏』は過去にTV地上波で鑑賞済みですが、当時思いのほか怖くて名取裕子さんをTVで見るだけで震え上がってました😨
やはり海外でリメイクされるからにはそのままではないと思ってはいるもののうっすらトラウマがあるだけにビビりながらも大好きな『アフター・サン』のポール・メスカルの演技を楽しみに公開を待っていた次第です😅

予告編でも使われていたペット・ショップ・ボーイズの『Always On My Mind』がグッときます。
さしみ

さしみ