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異人たちのSayGoのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
2.6
僕は終始全くハマらない映画だった。

12年前に両親が事故で亡くなり、それ以降品質的な意味で前に進めていなかった主人公の物語があることをきっかけに両親や自分の半生と向き合いはじめる。
限られた登場人物とミニマムな作りはこの作品の私的、内向的なこのドラマの雰囲気にすごく合っており、キャスト陣の演技も良い。

ただ、この作品が語ることがどうしても表面的に見えてならない。
ゲイはいじめられて孤独、マイノリティを告白することの勇気、親離れといった要素が散りばめられているが基本的に会話で全てが語られていく。

アフターサンも親子の話であり、本質的には似ている部分が多いように思えるが、あの作品は親子の関係を言葉でなく映像で語っていたからこそ美しさがあったのだが、
セリフで美辞麗句が語られていく本作は、掘り下げ方の薄さも含めて記号的に思えてしまった。

期待してはいけないだろうが展開もほぼなく、105分うじうじした男の独白を聞いているような、辛い時間だった。

王様のブランチでLiLiCoさんが泣きながら本作を必死に紹介していたので、つい期待してしまったが、僕にはハマらなかったようです。
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