オープニングから完璧な映像美。
ストーリーはと言うと、原作の「異人たちとの夏」は未読・未見ではあるものの、なんだかイギリスにしては日本らしい台詞、シチュエーションだなあ、と随所で若干の違和感を感じることがあった。
そもそも原作タイトルにある「夏」なので亡くなった人に出会える、というシチュエーションが奇妙だけど日本人ならではかなと。（ご先祖の魂が返ってくるお盆の時期、という考え方など）
それを主人公がラリってしまうと、ただの幻想や妄想なのか、本当に霊感があるのか、何だかあまり入り込めなくなってしまった。
最後のホラーみたいなシーンは、物語序盤のサイレンが鳴っていたことに繋がるのか？繋がらないのか。もう少し綿密なストーリー設定にできた気がするのも惜しい。
ただ、圧倒的に色彩が美しい映像作品として、やはり映画館で見て良かった！
目に映るあの神秘的な光の演出など、照明もとにかく素晴らしい。
そして当時の時代にあわせた選曲が最高。普遍的な喪失と再生の物語にもとてもよく合っていたし、イギリスのカルチャーの強みを感じる。
