なんだかものすごい恐怖に心が包まれている。
咀嚼しきれていないから、この気持ちを「恐怖」という言葉に収めてしまっているが、本当は少し違う。
それは底抜けの器に愛が注がれては抜け落ちていくようで、ピースが一つ足りないパズルのようで、満たされなくて、完璧になることはなくて、掴むことができない感覚だ。
人間それぞれが抱えてきた「孤独」の核心に触れられてしまった気がする。一緒にいるだけでは、愛されるだけでは、足りなくて、でもそれはどんなに時間をかけても足りることはない。
誰にも気にかけられることのなかった孤独が誰かに認知され、受け入れられ、抱擁される。Adamは両親に、HarryはAdamに。
私にはどうしてもHarryの存在が苦しすぎて、彼らの美しい関係は最後まで始まってすらいなかったという現実に心を痛めている。