このレビューはネタバレを含みます
孤独な中年ライターのアダムが、幼少期に死んだはずの両親と、ミステリアスな青年ハリーとの出会いを通じて、過去の悲しみと孤独そのものに向き合う話。
【ネタバレ】
80年代のイギリスにおける性的マイノリティへの理解の欠如から、ゲイであるアダムが両親との間に乗り越えられない壁を感じて背を向けたのは納得で、再びその記憶を体験するシーンは切ないです。
父親からの抱擁も母親からの歌に乗せた謝罪も起こり得た未来と考えるには絵空事のようだけど、こうなっていて欲しかったとアダムが望む和解の姿であったと思うので、過去を腹落ちさせるのはこういうプロセスなのかと学んだりもしました。
これでめでたく孤独にサヨナラ、、という話でもなくて、両親であっても恋人であっても、人は絶えずすれ違いを繰り返す孤独な異人たちである、みたいなのを80年代のMV風にポップにまとめている最後の演出も好きでした。
サウンドトラックも全部かっこいいです。