このレビューはネタバレを含みます
【あらすじ】
1993年、ソマリア内戦終結のために派遣された米兵たち。所要推定時間30分のシンプルなミッションと構えて向かったら武装した和平反対勢力の民兵との15時間に及ぶ激しい市街戦に巻き込まれ、仲間を失い、終わらない戦いに疲弊しながらも必死に帰還を目指す米兵の様子を描く、実話に基づく作品。
【ネタバレ】
軽口を言い合いながら現場に向かい関係者の身柄拘束を果たしてやれやれ撤収か、と思ったところにソマリア民兵からの猛攻撃。事態の急変により一気に広がる緊張感と、ブラックホーク二機墜落と被弾する仲間を目の当たりにした米兵の絶望感が画面越しに伝わってきます。
RPG（ロケットランチャー）が飛び交い、死も辞さずに次々と攻撃を繰り出す民兵による凄惨な市街地と、指令伝達の遅延や要請してもなかなか支援に応じない官僚システムに焦燥する司令塔の、２つの現場で起こる戦いが同時進行します。
特に、仲間を救出するためにブラックホークから降下し、敵の群衆に囲まれて殺害された上に死体を弄ばれる米兵の姿には戦意喪失以外の何も覚えず、弾を切らして自らの運命を悟ったパイロットの虚ろな瞳には居た堪れない気持ちになりました（後に生還して本当に良かった…）。
「誰1人残してはいけない」という指示の下、負傷人の救援や遺体回収のために何度も市街地に戻る米兵には、目を覆いたくなるほどの絶望が込み上げてきました。ショックを受けすぎて、恐怖の感覚が麻痺してしまうのかなとも想像したり。
救援に来た国連部隊の戦車に乗せてもらえず、銃弾が飛び交う中、疲労にもたつく足を何とか動かして停戦ラインへと向かう姿に、こんなに恐ろしい追いかけっこがあるのかと震えたりもしました。
その他、今はすっかり有名な俳優たちが沢山出ていてかなり豪華なキャスティングです。若かりし頃を見れて嬉しかったです。
