ハル

異人たちのハルのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

大人になってから、子供だった時に受けた傷の記憶を掘り起こし、見つめ直すということは、本当に苦しく辛い作業であるということ。してほしかったこと、してくれなかったこと、されたくなかったこと、たのしくてうれしかった、素晴らしい思い出。謝ってほしかったと思うこと。(「サイコだけど大丈夫」の春の日の犬の話を思い出した、あれを観た時も今日みたいに呼吸ができなくなるくらい泣きじゃくった)

孤独という事実や実感や、それに絡みつく恐怖も傷つきの記憶も決してなくなりはしないけれど、この映画の中でその固く凍ったアダムの孤独感が嗚咽する背を優しく摩るように癒やされていく過程で、鑑賞者側にいるわたしの孤独も確実に癒やされる映画だった。過去のわたしをアダムと一緒に抱きしめにいく映画だった。
ハル

ハル