現代の皮肉と警鐘
有名な都市伝説" This Man"を彷彿とさせる基盤に「バズり」と「過度な多様性の許容」という現代の問題点を載せて皮肉たっぷりにお届けするコメディスリラー
面識はないのに大勢の人間の夢に現れる大学教授のポールが、夢の中という話ではあれど、「何もしない→暴力を振るう」と言ったおおまかな流れの中で最大限の「バズり」と最大限の「誹謗中傷」を経験。さらには証拠や正当性が不十分にも関わらず社会的制裁を喰らってしまう、ただただニコラスケイジが可哀想に見えてくる作品。「コイツは悪だ」と決めつけてしまえば周りはなんとなくそれに便乗する構図が、今の情報社会においてあり得ることでありつつ、現実を誇張したのか写実したのかがわからなくなるほどのリアリティ。
途中から始まる広告のシーンなんかまさに自分含め多くの人が毎日愛用してるアプリig の創業者をもじってて、現実と未来の構図を見せた上である種の警鐘だったのかな。
アリアスターが製作ということで興味を持った今作だけど、現時点で世に出てるアリアスター長編映画3作を観た上でもはやあの世界観を欲してはいるものの、気味の悪さと難解なストーリーが来るんだろうな〜って思ってたら割とわかりやすく伝えたいことを訴えかけてきてた。アリアスターの世界観らしい色彩、見せ方、設定の上に理解しやすいストーリーが乗って完璧レベルに面白かった。
最後のシーンと最初のシーンって、、、、、。
どうなんだろ？
