マーくんパパ

華岡青洲の妻のマーくんパパのレビュー・感想・評価

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)
3.9
(再)有吉佐和子原作、世界で初めて麻酔摘出手術をした外科医者・華岡青洲を支えた妻と母の闘争記。小さい頃、ケシ畑を歩く美しい於継(高峰秀子)に憧れ華岡家の嫁に志願した加恵(若尾文子)は姑・於継に医家の心得を受けながら満ちたりた生活を送っていた。しかし京で修行勉強した雲平(後の青洲・市川雷蔵)が戻り麻酔薬の研究にのめり込むと息子への献身に名を借りて人が変わったように新妻を差し置き敵対する様になり、果ては麻酔薬人体実験台を争う様になる…。昔、名画座で観た実験台シーンは強烈な印象を残した。特に嫉妬心露わの鬼気迫る姑・高峰は過去の作品にないキャラで鮮烈でした。そして失明した若尾がケシ畑に姿を隠して行くラストの対比コントラストで壮絶な2人の生き様の余韻に浸れる名作です。