MasaichiYaguchi

恐解釈 花咲か爺さんのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

恐解釈 花咲か爺さん(2023年製作の映画)
3.0
「枯れ木に花を咲かせましょう!」「ここ掘れワンワン」というフレーズと共に多くの人に浸透している有名な昔話「花咲か爺さん」を「恐解釈」で大胆に翻案し、舞台を現代に置き換え、話はより残酷にスプラッター・バイオレンスを繰り広げる。
あらすじの大枠は元の昔話と一緒だが、異なる部分としては、欲張り爺さんには2人の娘と孫がいて、ストーリーは彼女たちを中心に進んでいく。
更に欲張り爺さんはシリアルキラーで、感情を無くした孫の笑顔を取り戻す為に日々人を殺しているという点が大きな変更点となっている。
或る所に、正直者のお爺さんが愛するお婆さんや愛犬ハルと一緒に幸せに暮らしていた。
しかし隣人のいじわる爺さん一家は、次々と人を拉致しては殺害する猟奇的な変態家族だった。
或る日、いじわる爺さんがハルを殺して燃やし、灰にしてしまう。
悲しみに暮れながらハルの灰を手にした正直爺さんは復讐の鬼と化し、いじわる爺さん一家への逆襲を開始する。
「花咲か爺さん」ってこんな話だったっけと呆然としてしまう程の胸糞ぶりだが、ラストシーンに登場する“オブジェ”がグロテスクで、美しく、或る意味、この「恐解釈シリーズ」を象徴しているような気がする。