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サンクスギビングのkanacoのレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.6
『感謝祭』の見立て殺人を主軸に過激かつコミカルなスプラッターを繰り広げる王道スラッシャー・ホラー。エンタメ性も高い。狂気の晩餐が象徴的なるも、冒頭に描かれる発端の事件も同様にインパクト!オーバーな演出なるも「あるよね」っていう人間の嫌な性質をそこはかとなく突いてくる感じもあり?🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
アメリカ合衆国の祝祭〈感謝祭/サンクスギビング〉。感謝祭発祥の地・マサチューセッツ州の小さな田舎で、祝いのイベントとしてショッピングセンターが先着ワッフルメーカープレゼント企画を行った。しかしそれは思いにもよらない大事故と悲劇を生む…。その次の年。去年の忌まわしい事件の記憶をあえて封印し、再び祝いのために賑わう町であったが、町の人を狙う無残な殺人事件が次々と発生する。被害者たちは感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷なやり方で殺害されていた。さらにそれをインスタグラムに投稿しているのはジョン・カーヴァーと名乗る仮面をつけた謎の男…。地元の高校生・ジェシカと仲間たちはジョン・カーヴァーが投稿しているその豪華な食卓に自分たちの名札か意味深に配されていることに気がつき…。

❶『感謝祭』の見立て殺人!スプラッターが過度な〈王道スラッシャー・ホラー〉

2007年の映画『グラインドハウス』の幕間に挿入されたフェイク予告編『感謝祭』。その予告を制作したイーライ・ロス監督が自分で長編映画化したというスラッシャー・ホラーです。イーライ・ロス監督ということで私からするとかなり過激なスプラッター。まるでコメディかのようにコミカルにも思える軽快さでグロゴアを披露していきます。

他の方のレビューでも同じ感想をお見掛けしましたが、王道なスラッシャー・ホラーということで『スクリーム』や『ラストサマー』を思い出すような構成…どちらかというと『ラストサマー』の方がより近いですかね。メインターゲットは〈主人公の女の子とその仲間〉というやらかし系パリピなカースト上位系の若者たち、冒頭でそんな若者たちが関わる事件が発生して因果が生まれ、キャラクターとしてキャッチーなデザインをされた残酷な〈(あくまで)人間〉のキラー、そしてキラーの正体…犯人は誰なのかがキッチリと答えが出るという流れは一緒。ただし、『ラストサマー』とちがってグロ・スプラッターが見せ場・娯楽として強調されているので、(コミカルなスラッシャーとはいえ)その点ではホラーが苦手な人は手が出せないかもしれませんし、オーバーな描き方に見えつつも「あるよね」っていう人間の嫌な性質をそこはかとなく突いてくる辺りもなかなか効きます。

また、今回の特色は『感謝祭』の見立て殺人というところ。正直『感謝祭』についてほとんど知らず…。私が唯一触れたのは『あつまれどうぶつの森』のイベント・ハーベストフェスティバルくらい…。確か七面鳥のシェフが私の村にやってきて食材集めをさせられて記憶が…。そのイベントに参加するともらえるデザイン家具が黄色が淡いオレンジ色だった記憶があり、本作に出てくる感謝祭のジョン・カーヴァーの食卓も家具や飾り付けも同じような色味だったので「あ、あつ森と同じ😊」と思いました(そんな平和な食卓ではない)。

❷コミカルながら思い切りのよろしいスプラッターでエンタメ性高し!

「感謝祭の晩餐」を見立てた狂気の食卓はこの映画において象徴的ですが、冒頭に描かれる発端の事件も同じくらいのインパクト!その〈ワッフルメーカー事件〉の強烈さによってストーリーへの掴みもドン引きも良いスタートダッシュを決めています。「ええ!?どんだけワッフルメーカーが欲しいのよ!?😲」と誰もが思うであろう狂乱のセールです。

上(①)にも書きましたが、本作はコミカルながら思い切りのよろしいスプラッター。人はポンポンと死んでいきますし、人体破壊がパカーンと気持ちよくできるように(?)身体は通常よりモロくなっているように思います。身体の欠損、内臓ボロンから出血大サービスまで一通りやりますが、私が苦手な皮膚剥ぎ系も十分にあって「わー😱」となりました。特色なのかフェチなのか分かりませんが、スプラッターホラーって監督によって当然演出のクセ・好みはあるような気がしていて、個人的にイーライ・ロス監督は皮膚いじり(?)も好きなのかなぁ~という印象があり。「べりべり~しゅあしゅあ~」が苦手な私には要注意な監督さんです😖

キラーであるジョン・カーヴァーがシンプルに残酷というだけではなく〈見立て〉をしたいこだわり派であり、素材集め・下準備・セッティング、さらにはSNS拡散で認知も上げるという「晩餐会を絶対成功させるマン」として余念がないところも含め、エンタメ性は色々な面で高いホラーだったかもしれません。複雑さはなく〈視覚〉で気軽に楽しめる、スプラッターがお好きな人にはオススメな〈娯楽映画〉という感じです。

ただ、私はグロを見れはすれどそんなに得意ではないので、1度見たらお腹がいっぱいという感じでした。…というか、年々グロ・スプラッターへの耐性が無くなってきている気がするのですよね。20代の頃はあんなに大丈夫だったのに30半ばを過ぎた辺りからいっきに弱くなってきた~。お肌の曲がり角のように…(?)😑

老いたか????🤔

🦃🐝「素材集め・下準備・セッティング…🤔やはり『どうぶつのもり』……。なわけない😂!!私と我が推しニコバンのハーベストフェスティバルは平和の極みだったもん🤣」
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