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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のkanacoのレビュー・感想・評価

4.0
〈ハリーの両親の死〉の秘密に迫っていく世界的ベストセラー児童書『ハリー・ポッター』の実写映画3弾。シリーズで馴染みの人物や魔法が多数初登場。単作内で伏線回収を駆使して展開の行く末や真実を楽しませてくれる、丁寧かつ構成がまとまった上手なダークファンタジー。シリーズの中で1番好き😀✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

今週は舞台WEEK…といっても2個だけなのですけど…。2つ目は舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』!初鑑賞。9/12に観劇済。映画のMARKの後ろに舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の感想も載せているので、ご興味のない方はもちろん、事前知識を入れずに鑑賞されたい方も飛ばしてください。

※ストーリー及び結末のネタバレが推測可能な記述があります。初見の方、特に鑑賞をする予定のある方はご注意ください。

◆あらすじ◆
ホグワーツ魔法学校の3年生となったハリー・ポッター。夏休みが終わって新学期が始まる頃、世間ではイギリス魔法界の刑務所であり吸魂鬼たちが看守している監獄〈アズカバン〉から、親友だったにも関わらずハリーの両親の居場所をヴォルデモートに教え、両親が死ぬきっかけを作った裏切者シリウス・ブラックが脱獄したという事件の話で持ち切りであった。シリウス・ブラックは生き残った子供ハリーの命を今なお狙っているという。そのため新学期が始まったホグワーツ魔法学校の周りではシリウス・ブラックを探して恐ろしい吸魂鬼たちが多く集まっていた。そんな中、ホグワーツに新しい教師が就任する。「魔法生物飼育学」教授にルビウス・ハグリッド、「闇の魔術に対する防衛術」教授にリーマス・ルーピン。ハリーの両親を知っているというルーピンはハリーにとても親切にしてくれるが…。

❶ハリーの両親の死の秘密に迫る、 ハリーポッターシリーズ第3弾。

イギリス魔法界で広く恐れられる闇の魔法使いヴォルデモート卿に襲われた家族の中で、「唯一生き残った男の子」であるハリー・ポッター。自分の出生を知らず虐げられ孤独だった少年が両親と同じように魔法使いになるためホグワーツ魔法学校へ入学し、親友たちと出会い共に学び冒険をして成長し、やがて魔法界全体を巻き込みながらも両親を殺害した宿敵ヴォルデモート卿と対決するまでを描く長編シリーズ…70以上の言語で翻訳され、世界で最も売れたファンタジーシリーズとなったベストセラー『ハリー・ポッター』の映画化第三弾です。

基本は巻数(本数)と一緒に学年が上がっていくので、本作はホグワーツ魔法学校の3年生の頃のお話😀

夏休みに人間界に帰省していたハリー・ポッターはダドリー一族からの酷い嫌がらせに怒り、禁じられている魔法を使って家を飛び出します。紆余曲折ありながらも無事ホグワーツへ戻り新学期を迎えたハリーでしたが外では大きな事件が。監獄〈アズカバン〉に収容されている犯罪者シリウス・ブラックが脱獄したというのです。彼はヴォルデモートの部下でハリーの両親の死にも深く関わっており、そして今もなお生き残った子供ハリーの命を狙っていると…。ブラックを捕まえるために学校の外には危険な吸魂鬼が多く集まっている中、それでもハリーはいつも通りの生活を送りますが、ある重要な事実を聞いてしまいショックを受け…という感じ🤔

❷シリーズで1番好き!伏線回収を駆使して展開の行く末を楽しませてくれるダークファンタジー

今作からいわゆる“親世代(ハリーポッターの両親の世代)”が登場。犯罪者シリウス・ブラックを巡る騒動を通して、両親の死の真相について輪郭がハッキリしてきたり、登場する人間たちの情報が広がって秘密が紐解かれたりする興味深い1作です。また〈ハリー・ポッター〉シリーズのヴィランと言えばもちろん名前を言ってはいけないあの人…ヴォルデモート卿ですが、また違う存在として有名な恐ろしすぎる吸魂鬼(ディメンター)が登場するのも本作から。付随して印象的な守護霊の呪文「エクスペクト・パトローナム」もここ。他にもお馴染み「忍びの地図」など今後も活躍するアイテムが初登場するなど盛りだくさんとなっています。相変わらずホグワーツ及び魔法世界やギミックの舞台技術・想像力は素晴らしく世界観に浸ることができました。

個人的に〈ハリー・ポッター〉シリーズの中で1番好きな作品です。また、シリーズの中で最も単作内できちんと伏線回収を駆使して展開の行く末を楽しませてくれる、丁寧かつ構成がうまくまとまった上手な映画ではないかと思っています。多くの要素が出てきますが混乱することがありません。前作2つに比べるとダーク寄りにはなっているのですが、その後の作品と比べると希望や期待をまだ持つことができる時期で、児童書におけるダークファンタジー味のバランスも良いかと感じます。前半でのハリーの辛い状況が描かれることでハリーが欲しているものに説得力がでますし、良いか悪いかは別としてハリーに対し嫌な人間と好意的な人間の対比がかなりハッキリしており(いつもではありますが今回のダドリー家とドラコ・マルフォイの性格の悪さったらまぁスゴい😂)見ていて変に含みがなく分かりやすいのも〇。ホラーテイスト(ただしこちらは魔法界と分かっているので恐怖感はなくダークさに磨きをかけるための演出)やサスペンス調、コメディパートもあってエンタメとして楽しめました。

ちなみに、kanacoのハリーポッターシリーズの押しはリーマス・ルーピン(特にこの3でのルーピン)なので、その意味でも「うぇーい✨🙌😆」みたいな気分の作品です(?)

✨🐝「本作の好きなところをもう一つ。ラストがハリー・ポッターの今後の人生においてかなり重要な希望が光差して締まるところです。ただそれはこの単作内の話の中だけで、後続の作品でその希望は無残にも打ち砕かれるのですが…🙄💢

それにしても…いつも思うけど、ホグワーツって子供を預かる施設において、めちゃくちゃ危険なことと隣り合わせの環境を何でもないように許す学校ですよね😂」



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舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』鑑賞。
tbs赤坂actシアター

※ストーリー及び結末のネタバレが推測可能な記述があります。初見の方、特に鑑賞をする予定のある方はご注意ください。

◆あらすじ◆
ヴォルデモート卿との死闘から19年後。魔法省で働くかの有名なハリー・ポッターの2番目の息子・アルバス・セブルス・ポッターがホグワーツに入学する。「英雄ハリー・ポッターの息子なのにスリザリンに組み分けされたらどうしよう…」そんな不安を抱えつつもホグワーツでの学校生活への期待に胸膨らませるアルバス。初めての汽車での席は重要である。なぜならハリーはそこで親友のロン、ハーマイオニーと出会ったのだから…。そんなアルバスが乗り合わせたのは、あのドラコ・マルフォイの息子、そして実はヴォルデモートの息子なのではと噂されているスコーピウス・マルフォイであった。最初は戸惑うも明るくて気さくなスコーピウスに心を開きすぐに打ち解ける2人。そして問題の組み分け帽子…。祈りも虚しくアルバスは帽子に「スリザリン」へ組み分けされてしまう。「あのハリー・ポッターの息子なのにスリザリン」この日から学内ではアルバスへのイジメがはじまり"英雄"ハリー・ポッターへの劣等感は膨れ上がりアルバスは父親と険悪になってしまう。アルバスの心の拠り所は「あのヴォルデモートの息子」という噂のせいで自分と同じようにイジメられている心優しい親友のスリザリン生スコーピウスのみ。ある日、父親と大喧嘩をしたアルバスは戸惑うスコーピウスを強引に連れ出してホグワーツから逃げ出し〈とある大きなこと〉を計画する。しかしそれは魔法界を揺るがす大きな事態を引き起こし…。

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この舞台を見る4日前に劇団四季『CATS』をみて楽しさにロスになり、赤坂につくまでは全然この舞台に身が入らなかったのを反省するくらいの、かなりの大作であった舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』!まず上演時間の長さが気合入っていますもん。休憩時間の20分を入れて3時間40分の舞台!!ステージがとにかく広くてセットはどれも大掛かり、からくりは分からないもバンバン登場するたくさんの魔法の数々、そしてセリフが…長い!!そのうえ早口なので情報量が多い。特にハリーとアルバスとスコーピウスのセリフ量半端じゃない😂

ストーリーを含め「うわぁ、『ハリー・ポッター』だなぁ」というダークファンタジー感が満載です。映画シリーズが終わって初見でこの雰囲気を味わえることはもうないかと思っていたのでそれにまた出会えた嬉しさと、あとは「うわぁ~やっぱり私ハリー嫌いだわぁ~ダンブルドアも」という懐かしさも🤣

本作は、父と息子の衝突と苦悩と和解の物語。ハリー・ポッターがとんでもない毒親(いや本当に…)になっていて、息子のアルバスはハリー・ポッターに良いところだけでなく悪いところもそっくりでもう、ケンカ、ケンカ、ケンカ😂ハリーが好きな人はモヤモヤするのでは…と余計な心配をしそうになるくらい(でも私からするとハリーは確かにこういう一面がある)。一方、ドラコからどうやったらこんな大天使みたい子が生まれるの!?母親が女神だったの!?!?というくらいの良い子スコーピウスくん。ルシウス・マルフォイが孫をみたら卒倒するのでは🤣でもこちらの親子もお互いの距離感について戸惑っています。

自分に父親がいなかったために手本となる父親像がなく、ホグワーツにしか居場所がない子供時代を過ごし、敵が多い一方で友人や後ろ盾も多かったために息子の気持ちに寄り添う術が分からないハリー・ポッター。〈英雄ハリー・ポッターの息子〉という呪いのような世間からのプレッシャーと自身の劣等感に押しつぶされ、ホグワーツに居場所がなく、唯一の親友さえ父親に認めてもらえず孤独に足掻くアルバス・ポッター。自分の父親のようには絶対になりたくなくて息子の心情に寄り添いたいも子供との距離感がつかめず、しかし献身的に動こうとするドラコ・マルフォイ。いつも明るい表情を見せ人に優しくありながらも「本当の父親はヴォルデモート」という勝手なレッテルとイジメに深く傷ついており、母親が亡くなってから父親への接し方がぎこちないスコーピウス・マルフォイ。

この4人のドラマが〈ハリー・ポッター〉シリーズを見てきた方ならテンションあがるだろうたくさんのサプライズと共に進行していきます。SS席平日17,000円土日19,000円ととんでもなくお高いですが、シリーズがお好きな方にはかなりオススメな舞台でした。特にスリザリン推しの方😊

あ。あとアルバスとスコーピウスが仲良しベッタリで可愛いですが、ロンとハーマイオニーがお互いを大好き夫婦すぎて負けじとめちゃ可愛いです。どんなに暗い場面でもロンがロンなので抜け感になって良き!

ちなみにこの舞台を見るに辺りこれまでのシリーズを通っていないと厳しいという情報はその通りですが(この舞台初見は厳しいと思われます)、事前に全シリーズ再鑑賞等をしなくても、ざっくりメインキャラクターさえ覚えていれば問題なし。もし復習をしておくならば『炎のゴブレット』が最優先の1本だと考えます🤔✨
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