オトマイム

アタラント号のオトマイムのレビュー・感想・評価

アタラント号(1934年製作の映画)
4.0
ダイナミックでのびやかなフレーミングの連続にワクワクした。水際でのショットがこんなにも表情豊かだなんて。自由自在に伸び縮みするカメラが大空から川面を、さらには水中までも嬉々として捉え、気持ちのよいサイズと角度でぴたりと決まる。舞台はほとんど船上なのに全く単調にならない。
新婚早々おとずれる翳りとひとしずくの官能、そして愛の賛歌。そのさじ加減が絶妙。そして猫、ネコ、ねこ!スライムみたいに水夫のおじさんにくっついたり洋服だんすから飛び出したり。アッジェの写真そのまんまみたいなパリの街並みも素敵。



若妻は『大いなる幻影』の女性だったんですね