オトマイムさんの映画レビュー・感想・評価

オトマイム

オトマイム

映画(475)
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ビル・エヴァンス タイム・リメンバード(2015年製作の映画)

3.9

ビル・エヴァンスを聴くと海の中を思いだす。海に潜るとそこには日常と離れた高揚感や生命の神秘に触れる厳粛な気持ちや安らぎがあり、危険と隣り合わせの緊張感もある。水の粒子ひとつひとつに降りかかる地上のひか>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

4.6

ひょろ長い手足を持て余し気味にしていたオクテな美少年は誰かに恋していたのだろうか。周りよりも早く大人にならざるを得なかった彼の承認欲求が彼を背伸びさせたのか。ネストール・アルメンドロスによる映像に胸の>>続きを読む

わるい仲間(1963年製作の映画)

4.2

かなり面白い。身なりのよいチンピラが街をブラブラして女引っ掛けるかスリでもやるか、というだけの話なのだが1960年代のモンマルトルの人混みや雑踏をリアルに映しとっていてキュンキュンしてしまう。記録映像>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

4.0

⑴変装するといつもと違う自分になれて勇気が出る。
⑵変装すると人間じゃなくみえる、よって男でも女でもないので触られてもなんとも思わない→触り放題
⑶変装した時にみた夢は叶わない

貧乏な若者のクリスマ
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ママと娼婦(1973年製作の映画)

4.0

ジャン=ピエール・レオー扮する主人公が色々と唐突だし性格が破綻している、わけがわからない。愛してるってただの挨拶?結婚しようってただの挨拶?とはいえ何も考えていなさそうなこのおバカな男はなかなかにモテ>>続きを読む

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.1

罪があるから殺される。きっとそうなのだろう。罪がなければ殺されるいわれはない。伯父の罪は、父親の罪は、幼い妹の罪は。絞り出される言葉が胸に突き刺さり、知らずに涙が流れていた。

アルゼンチンからポーラ
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メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.9

始終顔がほころんでニコニコして観てた。そんな映画は久しぶり!ミュージカルもドキドキもハラハラもたっぷりでどれもレベルが高い。高級ホテルのケーキバイキングみたいで美味しくてちょっと食べすぎにはなったけど>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

4.3

蛍光灯に照らされたほの青く冷たい画面。天井まで商品が積み上げられた巨大マーケットの店内も、南の島の絵が掛けられた薄暗い休憩室も、幸せをみつけるにはすこし寂しすぎて。孤独であることのどうしようもなさがす>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

すばらしかった。けれどもうっすらと靄がかかったようなこのあと味はなんだろう。ずっと考えていた。
まったく前知識を入れずに観たのだけれど、これは監督の自伝的物語で当時にタイムスリップして傍観者になったつ
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紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

4.0

ヘンなタイトル、でもそのまんま。あるヘンな一日の数10分を切り取りました、という短編としてはこれ以上のものはないような気がする、今のところ。ステーキ焼いたり切ったりする音が気持ちよかった。あとはいつも>>続きを読む

郵便配達の学校(1947年製作の映画)

3.4

郵便配達の学校ってなに?タイトルからまずおかしい。ゆる〜く楽しくて、しっかりタチ節。小さい頃夢中で読んだヨーロッパの童話みたいにどこかおしゃれでユーモアがあって。意思を持つ自転車!


巨匠たちの短編
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ロックの思い出に(1963年製作の映画)

3.0

人びとがロックのコンサートとかスポーツ観戦とかに熱狂している姿って心打たれるものであり、そしてそれがおおよそ60年も昔の風景となると感慨もひとしお。ストーリーもこれといった名シーンもないが(ゴメンナサ>>続きを読む

男の子の名前はみんなパトリックっていうの(1959年製作の映画)

4.6

若さはじけるポップでハッピーなゴダール〜〜♪相変わらずキュートな女の子たちも、落ち着きのない女たらしのジャン=クロード・ブリアリも、ソナチネっぽいピアノの劇伴もぜんぶ最高。短編として完璧では。ゴダール>>続きを読む

十代の夏/新学期(1956年製作の映画)

4.9

びっくりするくらい一日が長くて新しい発見がたくさんあった子供の頃。30分に満たない短編でここまで心奪われるとは。すばらしい。大好き。トリュフォー『あこがれ』『思春期』っぽくもあるし当然『新学期操行ゼロ>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.7

観てから数日過ぎても余韻を引きずっている。意図的なピンボケやクローズアップやぎゅうんとねじ曲がったカメラによる身を切られるようなモノクロ映像。銃乱射のシークエンスの緊迫感と恐怖にはかなり衝撃を受けたけ>>続きを読む

マルタ(1974年製作の映画)

4.0

結婚(あるいは親子)における支配関係を究極に突き詰め、逃げ出したくなるほどおぞましい映画である。
内容的にはおぞましいのだけれどカメラワークが実験的で面白く、追い詰められていくマルタの心理が彼女の表情
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ローラ(1981年製作の映画)

4.1

ローラは男たちのマドンナ或いは娼婦と同義語なのか。ツイン・ピークスのローラ・パーマーやジャック・ドゥミのローラ、ほかにもあったような気がするがこのローラもクラブの歌姫であり娼婦である。彼女の歌い踊る姿>>続きを読む

4分間のピアニスト(2006年製作の映画)

3.9

タイトルの意味するところがこれほど深く刺さるとは思わなかった。刑務所のピアノ教室からピアノコンクールへという異色作。ありえないと思う箇所もあるけれど引きこまれてしまう。モーツァルトやシューベルト他のピ>>続きを読む

唇によだれ(1959年製作の映画)

3.2

くちによだれ。なんか、いやらしいタイトルですが実際はお色気はチラリ、くらいです。他愛ない男女6人恋物語でセルジュ・ゲーンズブールのムーディーな歌がはまっている。ツンデレ・ベルナデット・ラフォンが最近気>>続きを読む

ワルシャワの柔肌(はだ)(1996年製作の映画)

3.5

これが初ズラウスキーだったら馬鹿馬鹿しくて中断してたかもしれない。が、幸い何本かみていたから常識で判断してはいけないのだろうと思い留まり完走できた。めでたい。

開始まもなく女がガラスに唇を押し付け目
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ポゼッション(1981年製作の映画)

4.3

あなたが知っている私は私のほんの一面かもしれないし、私の知っているあなたもそうかもしれない。肉体という容れ物はひとつしかないのに、魂がふたつあったらどうしたらいい?



イザベル・アジャーニの憑依
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刺青(1966年製作の映画)

3.7

文子さんキレイ〜〜まだ3本しかみてないけどだんだん色気と凄みが増してくる!
『卍』と同じく谷崎潤一郎原作、増村保造監督、若尾文子主演。谷崎の『刺青』は、刺青師・清吉が理想の女の背中に女郎蜘蛛を掘ってい
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卍 まんじ(1964年製作の映画)

3.8

初・増村保造。観る前は若尾文子と岸田今日子の役が逆だと思ってた。女も男もたぶらかす魔性の女は文子さんでした。

谷崎の原作は大阪弁がずっと口語調で続くのがたいへん読みづらく途中から斜め読みした記憶^^
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.1

豪華なコスチュームと美術にため息がもれ、通奏低音のように響く弦や鳥の鳴き声や劇伴等々音の素晴らしさに酔いしれ、女優魂溢れる女たちの競演にアドレナリンは放出され、なんとも情けない男たちの佇まいに笑った。>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

5.0

体を包む衣服は選べるけれど魂を包む体は選べない。だからもがいて、肉体で、言葉で、愛で、あるいは形式で、ほかの魂と繋がろうとするのだろうか。好きなひとの心はここにない、私を愛してくれるあのひとを愛せたら>>続きを読む

遊撃(2006年製作の映画)

3.0

非常階段?での遊撃を画でぜんぶは見せないのがいいなと思った。それから海辺で、ひとりを煽り気味に撮ったショットが好き。居酒屋→海→電車の展開は17分の短編ながら時間の流れと広がりが感じられる。

記憶の香り(2006年製作の映画)

3.4

画像が悪くて暗すぎて厳しかったけど、そんな中でも少女の日焼けした肌と白いワンピースの対比が鮮やかに目に焼きつく。最後のバス停のひかりの美しさ。話はせつなくて好きだった。
香りは記憶を呼び覚ます。
河井
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.4

前知識ゼロで観たのだけれど最初のスリーショットの意味に気づいた時の驚き、そしてさつきがそれに気づいた時の、何かが角から崩れていくような瞬間にはっとした。見えていることがすべてじゃないし、見えないから何>>続きを読む

石の微笑(2004年製作の映画)

3.9

円熟のシャブロル。上等なワインのような味わいのサスペンスだった。

ローラ・スメットが、彼女の周囲だけ空気の比重が重いのではと思われるような圧倒的な存在感を発揮している。色素の薄い瞳をもつ切れ長の目が
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風たちの午後(1980年製作の映画)

4.4

あなたの手が触れたもの息がかかったものすべてが色づきひかりを放つので手を伸ばさずにはいられない/そしてそんなものが増えるたびに空気が薄くなり/苦しくなって、ばらばらに壊れそうになる/どんなに望んでもあ>>続きを読む

セカンド・サークル(1990年製作の映画)

4.3

「この映画は今のソ連を象徴する」という監督自身のコメントを聞くまでもなく、あらゆる暗喩に満ちていることはじゅうぶんに窺い知れる。老いた父の孤独死。息子である青年と他者との会話・やりとりがすべてどこかち>>続きを読む

スター80(1983年製作の映画)

3.8

どの世界にも闇の部分はあるものだけれど、ポルノ業界にぬかるみのような深い闇があるであろうことは容易に想像がつく。だから内容にとりわけ衝撃を受けることはなかったが、田舎町のアイスクリーム店の売り子からト>>続きを読む

美しきセルジュ(1957年製作の映画)

4.0

これまでシャブロルを数本観たのだけれどどうにもつかみ所がなく、初期の代表作といわれる『いとこ同士』にいたってはまったくというほどはまれなかった。だけどこのデビュー作は観なければと思っていた。ヌーヴェル>>続きを読む

王手飛車取り(1956年製作の映画)

3.6

この後綿々たる長編を量産することになるジャック・リヴェットの短編というだけで貴重に思える。なかなかの切れ味。また、ヌーヴェルヴァーグの面子がちらちら見えるのがこの頃の彼らの仲間意識とか若い情熱とかを感>>続きを読む

孤独な声(1978年製作の映画)

4.3

一度みたら忘れられない独特の色彩感覚。琥珀色/毒を含むような緑青の色/深い夜を吸いこんだ水の色/色素がとんだ森の色。その印象はどれも強烈で、色調は豊かだけれど震えるほどつめたい。カラーとモノクロの混合>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

4.5

重なり合い音楽のように響く言葉。大河のようにゆったりと絶え間なく流れる言葉の氾濫。音へのこだわりが半端ではない。フランス語をまるごと理解できないのが悲しい。みているとどんどん鼓動が早くなって時折、深呼>>続きを読む

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