オトマイムさんの映画レビュー・感想・評価

オトマイム

オトマイム

驚きを求めていつも映画をみます
内側の触覚にふれてくる映画なら最高

映画(390)
ドラマ(0)

ガーデン(1995年製作の映画)

4.6

魔法のような映像美に酔ってとろけてしまいそう。プラムやりんごの木がたくさんある広い庭/ボロボロの小屋/おじいちゃんの鏡文字の日記。秋の庭が金いろになって色んなものの輪郭が光にぼやけて、ボーダーTシャツ>>続きを読む

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記(1969年製作の映画)

4.4

好き嫌いは分かれると思うけど私はものすごく好きで、でもぞわりとする感覚もあって、自分の中でどのあたりに位置付ければいいのか迷っている。
13歳と15歳の恋ものがたり。ブルーアワーに浮かぶ幾つもの原付の
>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.1

母親を失ったフリダに寄り添うように、けれども冷静に、カメラは彼女と彼女の視界に入る世界を映しだす。小さな妹への意地悪や、反抗や、我儘をきいてくれる祖父母への甘えで必死にバランスを取ろうと踏ん張っている>>続きを読む

愛する時と死する時(1958年製作の映画)

3.8

初鑑賞のダグラス・サーク。ハリウッドの明快さとドイツの生真面目さが同居しているかんじ。ちなみに監督はドイツ出身、奥さんはユダヤ人だそうです。3週間の休暇で故郷に帰ったドイツ兵の恋の話。

上官の制服を
>>続きを読む

ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)

4.2

暴力描写は必要最小限だけれどメッセージはまっすぐ胸に届く。民族とか宗教とか国籍とか言語とかをはぎとったあとに残る人間のいちばん美しい部分を淡々と静かに描くことで、それを理不尽に失う時の悲しみを際立たせ>>続きを読む

ウィズ・ユー(1997年製作の映画)

3.4

知的障害を持つ男と少女のものがたり。イェルン・ペルションによる映像が美しく、ペンシルベニア州の柔らかな光あふれる自然の中遊ぶ二人の姿を見ると、この世の中でいちばん美しいものはやはり自然と子供(そして無>>続きを読む

マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

4.8

つらいときにはライカを思い出す。スプートニク2号に乗って宇宙に旅立ったライカ犬を。星空を見て思いを馳せる。犬のこと。ママのこと。人生のこと。

たいせつに仕舞われていた思い出をとくべつだよ、と見せても
>>続きを読む

狼の時刻(1966年製作の映画)

4.0

草木も眠る丑三つ時をあちらでは狼の時刻というのですね。精神を病んでいき不眠症に陥る画家の男、その妄想と悪夢をいつしか共有し現実との境界が曖昧になっていく妻。じわじわ怖い。怖くておもしろい。ベルイマンの>>続きを読む

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.4

ある夫婦の暮らす島が戦火に巻き込まれる。島=隔絶された地であるがゆえにその描写は究極にミニマムであり、徹底的に残酷だ。飢えをしのぎ、痛い思いから逃れ、生き残るために夫婦が蹴落とすもの/すがりつくもの/>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.5

内側にある触覚に絶え間なく触れてくる、ストラーロによる夢のような映像美。季節は夏なのにひんやりとして底の浅ささえ感じられる。そんな心地よさと寒々しさが同居していた。《ベルトルッチの一番美しく触覚的な官>>続きを読む

不思議の世界絵図(1997年製作の映画)

4.4

世界の果てを旅するこの少女が胸の中に住みついてしまった。オレンジ色のワンピースが似合ってた、少年のような、唇のはしを上げてちょっとだけ笑う笑顔がすてきなテレスカ。
結婚式のシークエンスと吊るされる牛の
>>続きを読む

私の好きなモノすべて(1992年製作の映画)

4.6

人の内側は育った環境と経験したこと考えたこと五感で感じたことすべてからできている。同じ好きなものがたくさんあったらきっと私たち気があうね。

あなたの好きなものはなんだろう。夕暮れは好きかな。夏は好き
>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.2

他者への無関心という暗い色のインクが社会のあちこちにしみを落とし広がりやがてどす黒い闇となる。暗闇に侵された社会で生きるためには他者を傷つけるか、狂気の世界に入るか、倒錯した性や薬に逃げ場を求めるしか>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.6

閑散とした現代美術館でインタヴューを受ける冒頭からどこかちぐはぐで胸がぞわぞわする。監督は人の心をえぐって動揺させて楽しんでいるみたい。あなたの化けの皮は簡単に剥がれますよ。ほらね、チョチョイのチョイ>>続きを読む

ボクシング・ジム(2010年製作の映画)

4.2

リズミカルなパンチの音やワン・ツーの声がすがすがしく余韻に残っている。ボクシングの練習風景だけを飽きずにいくらでもみていられるのはすごい。老若男女・多様な人種が通う和やかな雰囲気のジムだけれど、ジム生>>続きを読む

賭博師ボブ(1955年製作の映画)

4.0

老境に差し掛かった賭博師に巡ってきた一世一代の大勝負!肩の力が抜けた軽妙洒脱な味わいが心地よい。イザベル・コーレイがふわふわした独特の魅力をふりまいている。押せばなびくような危なっかしい、孫ほど年若の>>続きを読む

恋人たち(1958年製作の映画)

5.0

極上の恋愛映画。むせかえるほどの。小細工せず、シンプルに、格調高く。これほど美しい不倫映画をほかに思いつかない。

闇に淡く光る白いネグリジェ/偶然触れあって音をたてるグラス/ふたりの上を流れていく木
>>続きを読む

甘い抱擁(1968年製作の映画)

3.0

ファーストカットからめちゃくちゃ面白い《いい感じ!》が、どんどんディープな展開になるにつれドン引き《生理的にきつい〜》でもやっぱりすごく面白い《途中でやめられないどうしよう》。文が錯綜してますね 笑。>>続きを読む

11'09''01/セプテンバー11(2002年製作の映画)

3.7

2001年9月11日。もう17年も経つことに驚いてしまう。あの日TVのニュースでみた衝撃的な映像はありありと脳裏に焼き付いているのに。
11か国11人の映画監督によるオムニバス。ずっと気になっていてや
>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

3.9

がらくたに生命を吹きこんで/爆音のギターをかき鳴らして/風になびく髪/くるくる回るホース/臨界点を超えて溶け出す音/音に支配され分裂する。
リアリティに満ちていた『ユリイカ』とは対極のすごく感覚的な映
>>続きを読む

そして僕は恋をする(1996年製作の映画)

4.4

おそらく満席の人いきれの映画館で(通路にしゃがんで観てたおじさんがいたから立ち見が出てたかも)、この作品をみれたのは嬉しかった。TV画面ではかなり印象が変わりそうだと感じたから。

セピアがかった映像
>>続きを読む

小さな泥棒(1988年製作の映画)

4.0

向かうところ敵なしの16歳のシャルロット・ゲンズブール。つきたてのおもちみたいなほっぺと母親譲りのスレンダーな身体(脚長ーい)、ささやくような喋りかたもほんのり官能的。生き急ぐ少女の焦りや苛立ち、愛を>>続きを読む

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

4.7

ファニー・アルダンが10頭身くらいのプロポーションで美脚を披露しながら素人女探偵として活躍する、そのビジュアルだけで100点満点。後期トリュフォー作品の常連ネストール・アルメンドロスによるモノクローム>>続きを読む

恋愛日記(1977年製作の映画)

4.0

40歳過ぎて女の尻、いや脚ばかり追いかけている男の話で基本くだらない。
「セロリ型とリンゴ型がある」「女の脚は美しくバランスよく地球を測るコンパスだ」「冬は豊かな胸、夏は引きしまった胸にひかれる」…街
>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.4

この時代にこんなすごい映画があったなんて信じられない。これまで西部劇を面白いと思ったことは一度もないのだが襟を正しました。ジョン・フォード恐るべし。
6頭の馬に引かれ駆けていく駅馬車の美しさは感動的だ
>>続きを読む

不良少女モニカ(1952年製作の映画)

3.9

きっとそこはこの世ではないどこかなのだろう。離島に降り立ったふたりはアダムとイブのようだ。夏の陽射しのなかで笑い戯れ愛しあうふたり。そこは楽園のように見えるがしかし、その刹那的な日々はふたりの愚かさや>>続きを読む

夜と霧(1955年製作の映画)

3.7

もぬけの殻となった戦後10年のこの映像には何十万という霊魂がさまよっているだろう。

アウシュビッツ強制収容所の記録映像を世に初めて公開した作品といわれる。夜でも霧でも走り続ける移送列車。分けられる夜
>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

3.9

京都・祇園の花街。芸妓さん、舞妓さん。はんなりとした京ことば。これらの単語に心惹かれる人なら観て損はないと思います。

若尾文子の弾ける若さ、小暮実千代の一本芯の通った色気、お茶屋の女将・浪速千栄子は
>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!作り手の熱と愛が充満していた。これが"10年前のカルト的人気映画"とかになってからじゃなくて、できたてホヤホヤのリアルタイムで観れたのはほんとうに嬉しいヽ(´ー`)ノ
本作の魅力はなんとい
>>続きを読む

ニキフォル 知られざる天才画家の肖像(2004年製作の映画)

4.0

ニキフォルは生涯4万枚もの絵を描いた、ポーランドの素朴派の巨匠(1895ー1968)。美術教育はいっさい受けておらず、言語障害を持ち文盲である。1920〜30年代の作品が最も価値があるとされ、生前にも>>続きを読む

沈黙(1962年製作の映画)

4.2

不思議な手ざわりの作品だった。
言葉の通じない異国のホテルにとどまること、それは沈黙そのものに含まれてしまうこと。冷淡でふしだらな妹も、勤勉で潔癖である一方で酒に溺れる病気の姉も、その息詰まる沈黙に穴
>>続きを読む

冬の光(1962年製作の映画)

3.8

「神の沈黙」という言葉が直接言及されるのは三部作中唯一(だと思う)。牧師の人格はさんざんに描かれキリスト教ひいては宗教に対する懐疑心があからさまに表現される。
「愛なんて馬鹿げている。神は愛、愛は神…
>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.4

観るものの言葉を封じ込めてしまうような力強さ、凛とした美しさをたたえている。それは夏の孤島という舞台、登場人物の少なさによるシンプルな映像、また彼らの関係性から生まれる不安や緊張感、精神の病を抱えるカ>>続きを読む

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.1

ベティ・デイヴィスの怪演は掛け値無しにすばらしい。哀れな痛い女だったジェーンが狂人に変わりゆく姿が凄まじく、海辺のラストシークエンスは圧巻。終わってから口をあんぐり開けていたのに気づいたほど。
本作は
>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.0

見たくもないものを延々と見せられているのに最初から最後まで画面に釘付けになるほどおもしろいから始末に負えない。序盤シシーがコーラをストローでブクブクやるところでまず異様さが露見(!)
彼女たちの異様さ
>>続きを読む

悪魔(1972年製作の映画)

4.3

初っ端からのトランス状態、正気の人間がほぼ皆無のクレイジーさは2作目にしてズラウスキー節全開。初めてシルバーグローブを観た時は面食らったけれど、ここまで強烈な個性を一貫してぶちまけられると愛おしさと尊>>続きを読む

>|