62355シネマ5

ドライブ・イン・マンハッタンの62355シネマ5のレビュー・感想・評価

3.8
劇場No62

75点
ニューヨークの空港からマンハッタンへ向かうタクシーの中、年季の入った中年ドライバーとのささやかな対話が、女性と彼女の恋人との複雑な情感を鮮明に描き出す。ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの繊細な演技は、まるで心の深淵を抉るかのよう。私はかつて、ある英文記事で読んだことがある。人は、親しい友人や家族よりも見知らぬ人にこそ本音を打ち明ける傾向があると。この映画は、そんな深い心の闇にひそむ秘密を巧みに暴き出す。
経験豊富なドライバーは、女性の内に秘められた問題を鋭く見抜く。彼女の恋人との関係を言い当て、まるでカウンセリングでも施すかのように、彼女の心の奥底に迫り寄る。そして、クライマックスでは、告解めいた瞬間に、彼女の隠された感情が一気に吐露される。
異性の悩みを抱えている者にとって、S.ペンとD.ジョンソンの迫真のやりとりは、何かしらの共鳴を呼ぶに違いない。人生相談を受けるつもりで S.ペンの巧妙な会話術に耳を傾けてみるのも一興だ。久々にスクリーンに姿を見せたダコタ・ジョンソン、その端正な容姿には、両親であるメラニー・グリフィスとドン・ジョンソンの特性が色濃く受け継がれているように感じた🚖2025/03/22 シネマワールド小倉で鑑賞