フリートウッド・マックのファンであるベニーは、アリゾナの居留地に住むナバホ族の祖母のもとで夏休みを過ごすことになり、そこで「Frybread Face (フライパン顔)」と呼ばれているいとこと出会う。製作総指揮はタイカ・ワイティティ。
ナバホ族をはじめとしたアメリカ先住民族の俳優が多数出演している。ナバホ族が歩んできた歴史は直接言及されていないが、パフォーマンスには経験が背景にあって、その競演を見られる贅沢が感じられる。ナバホ・ラグの美しい繊細さや羊の放牧、「初めて笑った日」を祝う文化の描き方も自然で素晴らしい。
Frybread Faceとの友情物語はすこし唐突な展開がある気がするが、子どもの頃の友達ってささいなことがきっかけで始まることが多いから、気にすることでもないかも。
ラスト、そんなにドラマティックでないリアルでドライな別れが特別な夏の終わりを告げることに胸を打つ。