この静かな作品が
なぜこれだけ心に残るんだろう?
ドラマティックな展開が無いなら無いで、そこで起きた些細な出来事や出会いの1つ1つが心に残る。
それに状況説明的な台詞も無いせいか、いろんな情報を自分から取りに行ってじっくりと観るぶん、人物に寄り添って観れる気がする。
なにかそうやって観てると、例えば苔学者の女性のちょっとした笑顔とか、何気ない表情がとても素敵に見えてくる。
また舞台となる場所の映像は、都会の人工的な風景と森の緑が、混じり合って調和しているようにも、無造作にそれぞれが置かれているようにも見えて、絶妙なバランスでそこに存在しているという感じ。
そしてそれらをじっと見つめるような長回しの映像‥
そんな静かな流れの中に、ずっと身を置いておきたくなるような作品。
鑑賞方法:映画館|シネマポスト