存在しない未来／失われた記憶／とことんまで堕ちた男がほんとに堕ちてまた現実に戻ってくる。ただでさえ危なっかしい空気出してるヒロインが、家族と一緒に通過する電車をみつめる目の動き。あまりにも不気味あまりにも不穏すぎるけどあれもまた非現実か、みおわって数日経つといろんなシーンがジワジワと思い出されてまた上映あったらみにいきたい。激しく揺れる波や草、光や夜の風景、冴えまくった撮影がすごくよくて胸に残る。

狂気と病気と介護に死。楽しい生活の裏にある目を背けたい事は常に自分にも降り掛かる可能性があって、運が良いだけだと覚悟して粛々と生きるしかない。
ズシーンとソファに腰かける爺さんの存在感。主人公との対比。大脳萎縮しても脳幹生きてる逞しさにやられました。
子供と電車を眺めながら眼振グラグラ、あれはREM睡眠なのか？？不穏な空気を醸し出す演出が所々あって気を抜けませんでした。

あのアパートのベランダで煙草吸ってると思ったら生活感のある女とじいさんに叩きつけられる現実にハッとした。一気に人んちの匂いがするような。ナタリーグランジェみたいになってる家の主フジさん良かった、陶芸やってますかね？堀江監督は出役としても映えるしユースケ役の子もなかなかの名子役。