ジネヴラ・エルカン監督作品。トロント映画祭に出品された群像劇。ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、アルバ・ロルヴァケルなど豪華な面々が出演している。
超絶つまらなかった。ヒステリックな演技が板についたテデスキ、幸薄な存在感のロルヴァケルを以てしてもこのつまらなさは救えなかった。
まず「異常気象で50度に達するローマ」という設定に何の意味があるのか分からなかった。別にその設定である必要はなくない?
過去の栄光にしがみつくポルノスター、彼女に異常な執着を見せる女性、元ヘロイン中毒の神父…キャラクターとしては面白くなりそうなのに脚本がつまらなすぎる。
群像劇としてもこれはどうか。繋がっていく快感はあまりないし、各キャラクターの描きこみが不十分でこちらの想像を裏切ってはくれない。全て想定内の展開に終始してしまう。
汗が滴る異常気象のローマを捉えた撮影は素晴らしい。観ているだけでこちらも暑くなってくるようだ。
褒められるのは撮影くらい。描きこみ不足な脚本、既視感の拭えない演出が残念。面白くなりそうな設定ではあるのに…