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リー・ミラー 彼⼥の瞳が映す世界のsonozyのレビュー・感想・評価

3.0
モデルとして活躍したのち、イギリス版『VOGUE』誌のカメラマンとして活躍。第二次世界大戦の勃発と共に、フォトジャーナリストの道へシフトし、『LIFE』誌のカメラマン、デヴィッド・シャーマンと共に、アメリカ陸軍の認定フォトグラファーとして戦地へ出向き、独自の視点で戦争の惨状をとらえ続けた、女性報道写真家リー・ミラー。

リーの人生に深く感銘を受けたケイト・ウィンスレットが、リーの知られざる人生を描くべく、8年以上の歳月をかけ(プロデュース兼主役)完成させたという作品。

ジョシュ・オコナー演じる若い男性(のちに関係が明らかになります)が、老いたリーにインタビューしながら、1938〜1945年のリーの生き様が回想されるというスタイル。
リーの勇気、決断力、そして戦争の残虐さを記録しようとするジャーナリストとしての情熱を力強く描こうとしている思いは伝わりました。

ただ、構成・演出・撮影にそこまで魅力が感じられなかったことや、例えば、友人のヌーシュ(ノエミ・メルラン)やソランジュ(マリオン・コティヤール)などとの関係が伝わりにくかったり、不必要では?と思われる演出があったり、そもそもケイト・ウィンスレットがちょっと苦手なこともあり(途中からリー役は他に適切なキャスティングがあったのでは?と思ってしまったり...)、読後感はいまひとつでした。

リー・ミラーをまったく知らなかったので、ヒトラーの死後、彼のアパートの浴室で撮影された写真(このジャケ写のシーン)なども含め、知ることが出来て良かったです。
調べて見るとマン・レイの弟子かつ愛人となったり、パブロ・ピカソ、ジャン・コクトーなど、交友関係もかなり広かったようです。

Lee Miller Archives
https://www.leemiller.co.uk/
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