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ロボット・ドリームズのksのレビュー・感想・評価

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)
4.1
とても良かったです。首を長くして待ってました〜。セリフはないけど音楽と音の使い方が抜群な作品なので劇場鑑賞をおすすめ。

ある日友達ロボットを迎えたドッグ。友達との夏はもちろんその先もずうっと楽しく続くはずだったのに、とここまでは予告でも明かされてます。もしも一緒に過ごせたらの歓喜が詰まった前半、なんでどうしてこんなことにの後半、ロボットの願いの数々で生まれる夢が切ない。

色んな理由で会えなくなった友達を忘れずにいて、もしも再会することがあれば、以前と同じだけの喜びを分かち合えるだろうか。そんな考えを昔々よくつるんでいた相手に対して抱いたことがあります。全く同じは無理じゃないかな、というのがここまで生きてきたわたしの感想です。

そして、劇場から出た直後に聞かれた「ご覧になっていかがでしたか?」には「人生はままならない、でも(前へ進んでいけるなら)辛くない」と感じたと言いました。あの時あなたと共有できた幸せは、生きてる限り遠く近くで鳴り続けるのです。

それから、公園を並んで歩くドッグとロボットの横でペコペコ鳴ってたスティールパン、あれ誰の曲だっけ……?知ってるのに思い出せねえ喉に小骨だ!!とイライラしてた。ヴィヴァルディだったわ。(Vivaldi: Mandolin Concerto In C Major)

上映前の予告の時間に、別の映画の宣伝に添えられていたチャップリンによる言葉「“Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.”  人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である」が、この映画にもあるかも。

いやでも難しいですよね友達って。作ろう!とガチガチに気負ってるとできないし、できたからといって永遠が必ず保証されてるわけでなく、だからよいのだと思いますが(出会えた人には最大の感謝を)

あと映画に出てくる食べ物に注目しまくる民としては、ドッグの冷蔵庫に何個も積まれてるマッケンチーズの冷食プレート、あれは「彩りなく味気ない生活」の象徴ではあるけど、美味しそうに見えてしまうんですよね……。
ロボットが食べ物をなんでも丸呑みしちゃうのでハラハラした。

つくづくアニメーションは音と動きの一体が生み出す魔法を楽しむものだなあ。
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