ニューヨークで1人暮らしをするドッグ。夜な夜なコントローラーを両手に持って、2プレイ用のゲームを1人でするシーンから始まる。ゲームに飽きてジュースを飲もうとしたら、くるっとストローが回転して掴めなくなる。誰かがいたらひと笑いでも起きそうだけど、誰もいないからただただ寂しくなるだけ。冒頭から細かい描写の解像度が高くてすでに面白い。ドッグは、孤独を紛らわせるために通販番組で見たロボットを購入する。
そんな犬とロボットの2人の友情を描いた物語。セリフなしの102分アニメ。子供が観ても分かる映画だけど、逆に大人には違った角度で刺さる。アニメの程をなしたララランド、パストライブス。
お互いに思い合っていたとしても、一緒に居続けることが必ずしも幸せに直結するとは限らない。究極的に言うと、肉親を除いて替えが効かない存在なんてこの世にいないと思う。その時々に今の自分を肯定してくれる人は大切にすべきだと改めて感じる。おそらくもう2度と交わる事がないドッグとロボット。ラストシーン。お互いにお互いの人生を楽しんでねというメッセージが込められていそうで胸が熱くなった。
恋愛要素は一切ないのに、下手な恋愛映画よりもよっぽど威力がある。ロボットの選択は正しかった。ドッグが「ペット・セメタリー」を読んでいた。悪い動物がしっかりワルだった。
ドッグの不器用だけど、活動的でやりたいことを自由にする感じ僕は好きです。