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ロボット・ドリームズのかつのレビュー・感想・評価

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)
4.5
ストーリー(満点2)1.9
映像0.8
音楽0.9
プラス要素0.9

映画館で鑑賞。
台詞がなく、映像と音楽のみで描くアニメ映画。
かわいらしい絵柄だが、ストーリーは大人にこそ響くものがあり、エンドロールが流れる頃には号泣していた。
以下、ネタバレあり。





動物たちが暮らす少し昔のニューヨーク。
そこに住む主人公のドッグがロボットを購入したところからストーリーは始まる。
ドッグの生活を描きながら深夜のテレビショッピングでロボットを購入するシーン、孤独さが詰まっておりドッグに気持ちを重ねて辛くなった。
ロボットは自分で組み立てるものだったが、無事完成しロボットとの生活が始まる。
色々なところへ出かけ、その楽しさを音楽が彩る。
主題歌のセプテンバーがここで流れていたが、この時は公園でのダンスシーンと合わせて凄く楽しいシーンだった。しかし、エンディングで流れた時には思い出の曲となって泣かせにくるのがこの曲のポップさと歌詞の切なさだと思う。
色々なところへ出かけて楽しい日々を過ごしていた2人は海に向かい、そこでロボットが錆びて動けなくなってしまう。
ロボットを置いて修理部品を取りに帰り翌日海へ向かうドッグだったが、前日で海水浴が終了しており立ち入れなくなってしまう。
どれだけ頑張っても海には行けず、海開きまで待つドッグとロボット。
ロボットは何も知らずただドッグを待つ。待つ間に部品を取られ、雪に埋もれ、鳥たちとの交流があったが、その間も夢の中ではドッグとの夢を見ており一途さに胸が打たれる。
ドッグはその間、知り合ったガールフレンドと仲良くなるが離れ離れになる。
ここでドッグを責める気持ちが生まれる。ドッグとロボットの感情の対比で一途ではないドッグを責める気持ちになっていたが、ドッグの気持ちもなんとなく理解できる。
決してドッグはロボットを忘れているわけじゃないが向き合うことから辛すぎて寂しくて逃げていた。その気持ちが痛いほど分かる。
海開きの日、ドッグは真っ先に海へ向かうがロボットはスクラップ回収に運ばれてしまい居なくなってしまう。
ドッグは悲しみから逃げる為新しいロボットを買うことになる。
一方、ロボットはスクラップ工場に捨てられていたが、ラクーンに拾われ新しい日々を過ごし始める。
楽しい日々を過ごすが、ロボットはドッグのことを忘れていない。
ある時、ロボットはドッグを見かけ追いかける夢を見るが、別のロボットと歩いているところを知り、また今の生活の日々もあった為セプテンバーを大音量で流して踊る。
ここで号泣。
切なさと過去を断ち、今の日々の未来を見たロボットに涙が止まらなかった。
ストーリーは別々の道を歩むドッグとロボットで終わる。
決して悲しい結末ではなく、お互い思い出と悲しみを抱えて前を向いていた。
これは友情のような話だが、ラブストーリーだ。
大人になればなるほど、大事な人を思い出して心に響く。
何度も観たくなるとても大切な作品。
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