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ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命のodyssのレビュー・感想・評価

4.0
【レナ・オリンとロモーラ・ガライとユリアーナ・モスカ】

第二次世界大戦が始まる直前、チェコのユダヤ系の子供669人を英国に移送して命を救った実在の英国人ニコラス・ウィントンの物語。

この素材は8年前にいちどドキュメンタリー映画になっていますが(私のレビュー↓も参照)、あらためて有名俳優を起用して映画化されました。
https://filmarks.com/movies/69050/reviews/146130965

アンソニー・ホプキンスがなかなか芸達者です。戦後ずいぶん経ってから昔の業績が知られるようになったころの彼は80歳前後。つまりすっかり老人になっていたわけで、この映画でも、歩き方や、ソファから立ち上がるときに手で周囲のものにつかまらなければならないといった、いかにも老人らしい動作がしっかりと再現されています。まあ、ホプキンスもすでに80代半ば過ぎですから、地でやっているのかも知れませんがね。でも、何でもないことのようですが、いかに老けメイクをしても、歩き方や、立ち上がるときの動作が中年と同じでは、老人を演じたことにはなりません。以前、邦画でそういうダメな例を見ている私(前期高齢者になっているので、実感として分かるわけです)としては、そういう面をまず評価したいと思いました。

この映画では女優も見逃せません。

まず、老いたウィントンの妻役のレナ・オリン。映画ではちゃんと説明されていませんが、ウィントンの二度目の妻だったよう。レナ・オリンは若い頃は「すごい」のつく美人で、私もむかしは出演映画を見て悩殺されました。私より2歳半年下で、出産してからは顔立ちがちょっと変わってしまったのが残念ですが、この映画では70歳近いとは思えない魅力を発揮しています。

次に、ロモーラ・ガライが、人道的活動家ドリーンを演じています。英国を代表する美人女優で、『ダンシング・ハバナ』や『エンジェル』が代表作。すでに40歳になっていますが、この映画でも活動家の役ながらその美貌は健在。

それから、ロモーラ・ガライと一緒に人道的活動をしている若い女性ハナを演じるユリアーナ・モスカが、この映画では若い盛りの女性を演じて魅力的。私は今回初めてスクリーンで見たのですが、調べてみたところ、1994年生まれのチェコの女優だそうです。

人道的な活動家を扱った映画なのに、美人女優にばかり言及するのはケシカランと言われそうですけれど、映画は美人女優で持つものですから、つまりそういう面でも優れた映画なのです。人道面でもすぐれていることは、言うだけ野暮な話で。
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