これが現代の若者の恋愛のリアルなのか？
若い頃禄に恋愛体験をせず（出来ず）、男子に都合のいい、何故か主人公が色んな女の子に一途にモテまくるハーレムラブコメばかり読んでいた自分が何故恋愛ものが苦手なのか気づかせてもらえた。
基本的に登場人物の誰一人として共感が出来ない。この映画における出来事が自分の周りに起きた試しがないし。皆こんなに複雑なことを考えているのか‥大変だなぁ。
唯一共感出来たのはモーちゃんの自宅の鍵周りの描写。（人が出た後に音がしないようにゆっくり閉めたり、自分が出た時に閉めたかどうかか確認するところ）彼の職業は結局何だったのだろうか？金は持っているらしいが。
基本的に会話劇なため俳優たちの演技力が肝なはずで、自然な会話をするというのがどれだけ難しいのかということを見せられた気がした。そういう意味では推し俳優の中島歩氏の「彼はホントに素で喋ってるなぁ。」という自然派な演技が活かされていたように思う。
話自体に複雑性はなく、分かり易い構成だったのは助かった。
ただ、やはりというか会話劇で間を持たせるのは演出周りも重要な訳で、基本会話している２人の引きの絵で単調な会話劇が繰り広げられ、事態が動く時になるとセリフを発する人のアップになるという画面がいささか退屈であるように思えた。かと思えばタイトルロゴやテロップに統一感がないのも気になったし、唐突にむっちゃんのナレーションが入るのも演出の一貫性がなく監督がリアル路線にしたいのかコメディ路線に持っていきたいのかが分からなかった。
実際自分はスポーツバーで満を持して繰り広げられた四人の矢継ぎ早なやりとりが一番楽しめたもんで、最初からそっち方面に持って行ってもらえたら個人的にはもっと楽しめた。
後、抑えめな作品のトーンに反し、ボーリング場にいた2人の浮世離れ感が悪い意味で気になってしまった。
映画なのだから登場人物たちが思ったことストレートに言うだけにせず、問わず語りがあっても良いと思う。むっちゃんはそういうキャラだ、と言われればそこまでなんだが。
年齢や恋愛観が違うことで会話が噛み合わない具合がまるで違う惑星の住人であると例えられたタイトルは秀逸だと思ったものの、冷静に考えたら誰一人恋人として成立していないような気がしたんだが、どうなんだろうか。
モーちゃんが夢で見たむっちゃんが同じ星の宇宙服着てたのは彼の願望が現れていたということかな。こんな感じで付き合いを続けていけそうなんだから皆凄いなぁ。知らんけど。
