つつ

型破りな教室のつつのネタバレレビュー・内容・結末

型破りな教室(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

自主性を重んじる教育は現実に立ち向かえるか
メキシコの治安最悪地域、子供が遊んでる裏ではサイレンが聞こえて後ろには死体が転がってる
新しくやってきた先生、教室の椅子や机を全てどかして、初対面で床は海、椅子はボートだけど乗れない人が出てくる、と哲学の問題を生徒に突きつけてくる
割り算を浮力、密度から説明、なぜボートは浮くのか、太った校長と先生はどちらが密度が大きいか、どうやったらそれを測れるか
生徒たちが自分で考えることを大切にしていて生徒だけで答えが導けそうとなったら先生は要らなそうだと言ってコーヒーを飲みにいっちゃう
水を使って実際に校長の体積を測る、乗り気してなかった校長が生徒のためだ!と水に飛び込む
宇宙に興味ある子は惑星の看板を作って生徒たちにつけて引力を説明、これが引力だ!といって手をとりながら回って最後にはみんなくっついちゃうところ泣ける
テストに対しては批判的で、子供の探究心を尊重した実践形式の授業が次々に行われていく
主要生徒は3人
不良少年は兄の影響で不良グループの仲間になりそう、先生の授業で勉強に興味が湧いていく
不良少年は海を見ながら「地平線を見ると海と空に境目がないように見える、僕らがいる場所も宇宙だ、空気があるのは地球が重力で空気をこの場所に縛り付けているから、空気だけでなく僕たちも」みたいなことを言う
数学が得意な女の子、家は貧乏で金属を集めてそのお金で病気の父と生活している、ベッド横に本を隠していてゴミ山の上で自作望遠鏡を使って観測してる、能力があるのにそれを表に出せない性格が先生の影響で変わっていく
兄弟の多い女の子は弟妹たちの世話をしなければならない、お母さんがまた妊娠が分かって来年からは赤ちゃんの世話で学校に行けないかも、先生の影響で哲学に興味を持って大学の図書館で本を借りるようになる
頭のいい女の子にNASAの見学案内みたいなのを渡すけど叶わない夢を見せて理想を押し付けるなとその父親に言われる
治安、貧困、ヤングケアラーの現実と学びたいことを学べるっていう理想のどちらが勝つのか
結果的には不良少年は銃で撃たれ3人目の女の子はテストを受けられずに赤ちゃんの世話をしなければいけなくなる
先生と校長が不良少年の家に行くとボートが完成していた、それを海に流す2人、少年は自分を縛り付ける環境、重力から逃れるために宇宙まで行きたかった、地平線まで行きたかったんだと思うと凄く切ない
先生の苦悩、少年がリュックの中に危険なものを持っていることに気づいて問い詰めて、それでも少年の自主性を重んじてリュックの中身を見なかったという選択、結果的にはその選択で少年を死なせてしまったと自分を責める先生、この教育方針が負けるっていう現実が辛い
救いとして描かれるのが数学好きの少女、父は望遠鏡が少女の自作だったこと、隠していた本棚にはたくさんノートがあったことに気づいて話をする
なんとかテストを受けることができて最後試験開始直前に先生にウインクする、結果、数学の成績がトップで支援によって大きい家で暮らせるようになったという実話が文字で出た瞬間に涙でた
1勝2敗…夢は叶うこともあるし叶わないこともあるっていう結末、映画の中の理不尽な結末は現実、事実のことを言ってる
最後、小学校の様子を覗く少年が出てくるけどこの少年の学びはどうなっていくのかは分からない
つつ

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