田舎の山と山を繋ぐ往復のゴンドラ。時に棺桶を乗せ、家畜や干し草を乗せ、老人から子どもまで山間に住む人々の暮らしに寄り添う様に走るケーブルの中で二人の女性が出逢い想いを通わせる物語。
全編通して台詞は無く、だからこそ田舎の自然の音や人々の笑い声、奏でる音色や音楽が際立って物語を穏やかながらもドラマチックに盛り上げとても癒された。
主人公である二人の女性車掌の上司にあたるセクハラパワハラ公私混同親父以外の全ての登場人物が愛らしく、主人公達がゴンドラですれ違う度に交わす些細なやり取り(後半身体を張った一発芸かという程過激化するけれどそれ含め)も可愛らしくて愛おしくてくすりと笑いが零れるのも屡々。
最後も綺麗に片付き、彼女達は幸せそうに笑い合い手を繋ぎ、でめでたしめでたし。
満足感が凄い。観て良かった。
本筋とは別に彼女達のすれ違いコミュニケーションが白熱してゆくにつれめっちゃ楽しそうにキャッキャしながら仕事道具であり備品のゴンドラすら躊躇無く魔改造しまくっての一発芸合戦になってるの眺めながら「仕事なんてこんなもんで良いんだよなぁ……」ってしみじみ学びを得ました。色んな方向に癒された。
本当に好きな作品でした。