開始早々からしばらく続く上手の迫力、スピードを捉える(そして増量する)カメラに痺れました。流石にそのリズムを最後まで維持、というわけにはいかなかったけれど。
モノクロームの絵も素敵でしたね。青と白の柔道着というのが試合のルールなのでしょうが、あの群青色はいかがなものかと。だから余計に白黒のスクリーンが気に入ったのかも。
日本の大会での実話から派生した物語だそうですが、そもそも相手方はどういう立ち位置だったのでしょう?
イスラエルは国家としてアラビア語を話す人たち、あるいはイランのようにペルシャ語を話す人たちと普通に対戦するのかしら? 対戦することに蟠りはないのかしら?
もっと言うなら、対戦して負けちゃったらそれは民族として、国家として「ヤバい」ことなのかしら?
アメリカ・ジョージア映画として、さらに言うならイスラエルとイランの人が一緒になって作った映画として、その辺りのイスラエルの「声」も是非とも聞きたかったなあ。
ややもすると、バケモノ国家イランvsただ強くありたいアスリート、の対決軸だけになってしまって、それはちょっとナイーブに過ぎるんじゃないのかなあ、と思った次第です。