地底獣国

TATAMIの地底獣国のレビュー・感想・評価

TATAMI(2023年製作の映画)
3.4
締め技で落ちかけてる時に「待て」を掛ける審判無能かよ(ってか喉じゃなくて頸動脈を圧迫する技と違うんかい)とか、技の攻防の流れが分からんとか、クオーターファイナルの試合盛り上げようとする演出と展開がどうも上手く噛み合ってないとか気になるんだがしかし。

主演アリアンヌ・マンディの目付きバキバキな顔面と代表チーム監督役(であり本作の共同監督でありキャスティングディレクターである)ザーラ・アミールの終始思い詰めたような表情の対比、関係性、緊迫した遣り取りは見応え十分だし、先程苦言を呈した試合の場面も視点を変えればTV中継では味わえないカメラアングルを堪能できるのでコレはコレでアリ(専門誌の編集長が「没入感が得られる映像。その結果、違和感のある描写がなく、感情移入もしやすく、作劇と競技へのリスペクトが両立してる(公式サイトより)」と語っているので恐らく意図的にそういうカメラワークにしたと思われる)。

あと、主人公のモデルになったのは男子選手なんだが、性別の変更は「聖なるイチジクの種」でも描かれてたマサ・アミニさんの死とそれに対する抗議デモを受けての事なんかな。クライマックスの試合で満を持してって感じでヒジャブ脱いでるし(ちょっとこれ見よがしではある)。ついでにと言ってはなんだが、インスパイア元の出来事同様に亡命後、因縁の相手に勝利したところも描いていれば良かったのに。
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