アカショウビン

シャクラのアカショウビンのレビュー・感想・評価

シャクラ(2023年製作の映画)
5.0
先週、香港文化博物館行ったら金庸のスペースあって、テンション上がりました。それで映画見た。
天龍八部はめちゃめちゃおもしろい小説だから、原作読んでください、と思った。文庫本1巻400ページで全8巻だから映画一作ではさすがに厳しいです。金庸の小説(全部読んだわけではありませんが)、50年代とか60年代の香港の小説なのに、キャラクターがめちゃめちゃアニメマンガっぽくてびっくりするんですよ(主人公はジャンプ、ヒロインはめちゃめちゃいろんなタイプの美少女がいる)。それでいて、恋愛描写は鮮やか、ストーリーは中国というよりユーラシアが舞台といったほうが的確な雄大さ、それをミステリ仕立ての謎で味付けって感じで、「これが本物の大衆小説か!」って驚きますよ。
ちなみに数年前ツイッターでちょっとバズってた「登場するヒロインがことごとく主人公の妹だったと判明する展開の小説」はこれの原作。

個人的に一番残念だったのが慕容復がおじさんだったことだけど、これは今回の映画の黒幕なのでまあ仕方ないかと思った。でも原作だと慕容復の末路が一番胸に来るんだよなあ。