某映画サイトで異様な高評価だったので興味を引かれたものの、今週から軒並み1日1回の上映となっていたので、慌てて観賞。
ネタバレはなるべく避けますが、観る予定の人はなるべく読まない方が良いかと。
久しぶりの金子修介監督作品。安定の演出力で概ね面白く観られる。シナリオなのか原作なのか、組み立てが上手い。高評価も頷ける。総じて大変面白い作品だったけど、高評価はネットでいくらでも読めるでしょうから、ここではちょっと気になった所を挙げておく。
オープニングシーンのあの外連味の強さはなんなんだろう? なんか劇中ドラマの一場面?とか思ったくらい、今時ないわざとらしさで、しばらくあのシーケンスの意味を考え込んでしまった。演出自体に物語的な意味はなかった模様で、オープニングだから派手にかましたという感じなんたろうけど、自分にはノイズだった。
あと、ヒロインの感慨は深く掘り下げる割に、主に物語の中心である男たちのバックボーンがあまりにおざなりでは、と。この辺も金子修介らしいといえばらしいのだけど、せめてどうしてあの様な動機に至ったかは、もう少し心象が分かる何かが欲しかった。両親ともに不幸にも離婚はしたけど、いい人そうなのに。
そういうマシーンみたいなキャラのつもりなんだろうけど、凄く薄味に感じてしまって残念。2時間ドラマとかなら、これは久しぶりにめっけもん!くらいの充実感はあっただろうけど、映画となるともうひとつ物足りない。
最後に本作に限った事ではないけど、邦画にありがちな音楽過多。
これはあまり人のことを言えないけど、肝心な所で効いてない。クライマックスのどんでん返しの為の長い前振り演出なのか?とも思ったけど、その後も大して密度変わらず流れていたので、深い意味はないらしい。